ミネラル不足が現代病・生活習慣病を蔓延させた
病気のない世界を思い描くには、かなり想像力をたくましくする必要があります。
病気が存在すること、病気になることは、本来異常なことです。
しかし、現代病がこれだけ広がり、多くの人が現代病を共有することによって、
病気を患っているということの異常さに、無感覚になつているいるのではないでしょうか。
ほとんどの人が現代病にかかることによって、
それが自然だ、などという感じにさえ、なつているのではないでしょうか。
現代病と生活習慣病、成人病は、ほぼ同じ病気を指します。
ただし、この3つの言葉は医学用語ではないので、その病気の範囲はあいまいです。
脳卒中、心臓病、がん、糖尿病などの成人病に、生活習慣に問題のある(とされるが、これは誤り)、
肝疾患、胃潰瘍、骨租寮症、歯周囲炎などを加えた疾患が、生活習慣病であると捉えてよいでしょう。
現代病となると、その生活習慣病にさらにアダルト・チルドレン、アルコール依存症、
パニック障害、うつ病など心の病気を含めることもあります。
私は、古い呼び名の成人病に肝疾患、胃潰瘍、骨租髭症、歯周囲炎などの疾患を加えた生活習慣病を、
現代病とほぼイコールで捉えています。
そのため、本書では、旧成人病を含む生活習慣病=現代病として表現しています。
3つの言葉のうち、いちばん最初に使われ始めたのは成人病で、それは1956年ころのことでした。
しばらくすると、その成人病の発病が低年齢化し
、誘発原因として食生活や喫煙、飲酒などの生活習慣の影響が大きいということで
(のちに述べますが、これも誤り)、生活習慣病というように名称が改められました。
このとき、名称をあらためることを決めたのは、厚生省(当時)です。
1996年10月に厚生省が、40年にわたって使われてきた成人病を、生活習慣病へと改め、
早期発見・早期治療を一歩進めて、生活改善などの予防対策を強力に押し進めると同時に、
若い世代に対して、この種の病気への自覚を促したのでした。
生活習慣病は、中高年になると、その生活習慣のために発病するものとされていますが、
けっしてそうではないということが、悪い方向から証明されることになりました。
それが、小児成人病・小児生活習慣病です。
脳卒中、虚血性心臓病、動脈硬化、高血圧などの循環器疾患、糖尿病、肝硬変、慢性腎炎などは、
中年期以降に見られる生活習慣病ということになっていたのですが、
それらが小児期にも見られるようになったのです。
そこで、小児成人病などという、言葉としては修飾矛盾の奇妙な言葉が生まれました。
小児成人病の主な症状は、高度肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病などであり、
なかでも小児肥満は深刻で、学童期に約2割に達しているとの報告もあります。
小児生活習慣病患者が激増することで、「生活習慣病は、中年期以降に見られる」という
ことが誤りであることが証明され、生活習慣病は生活習慣によって発病するということも
グラつき始めているのですが、これに関しては、まだ決定的なものはないというのが実情です。
しかし、「生活習慣病は、生活習慣によって発病する」とは必ずしも言い切れないということが、
今度は明るい面から証明され始めています。
その中心となつているのが、微量元素超ミネラル″です。
これを摂取することによって、ガン、糖尿病、心筋梗塞、アトピーが、
ものの見事に、確実に、本当に、治っているのです。
医学が驚異的に発達しているにもかかわらず、いっこうに減ることなく、
ついには死亡原因のトップに躍り出たガンを始め、現代人を悩まし続けてきた現代病のほとんどが、
微量元素《超ミネラル水》を摂取することによって、まさしく、あっという間に、治っているのです。
そのことから、現代病・生活習慣病は、ミネラルの不足によって引き起こされているといって、
まず間違いないでしょう。
ミネラル不足ということは、最近ではわりあいによく言われることですが、
私の言うミネラルは、最近よく言われるミネラルではありません。
微量元素と総称されている、鉄、亜鉛、胴、マンガン、錫、ニッケル、コバルトなど、鉱物由来のミネラルです。
鉱物由来のミネラルは、体内で遺伝子が正常に働くために必須のものなのですが、
それが現代人、特に先進国の人たちに大幅に不足していたために、ガンを始めとする生活習慣病が、
かつてのコレラやペストのように猛威をふるうことになつたのです。
なぜ、先進国の現代人が、深刻なミネラル不足に陥ったかというと、それは無機農業が定着化したためです。
緑肥、堆肥、腐葉や動物の糞や死体などの有機物を肥料にする農業は、有機農業です。
これに対して、農薬や化学肥料などの無機物を使うのが、無機農業・無機農法です。
日本は、かつてはもちろん有機農業でした。
それも、戦後間もないころまで、大都市周辺でも、まだ有機農業を行っていました。
いまでは全国津々浦々、米作地域に至るまで無機農業となっていますが、
日本が有機農業から無機農業へと、全国的に切り替わった流れと、
生活習慣病の激増は、ピタリと軌を一にしています。
有機農業から無機農業へと切り替わり、無機農法の農作物を食べ続ける
ことによって、私たちの体は、いわばミネラルの栄養失調になり、
それがさまざまな生活習慣病を招き寄せたのでした。
いまでもよく「野菜をたくさん食べるといい」ということが言われていますが、
それは野菜の中に含まれるミネラルが、よい働きをするからでした。
ですから、有機農業時代に「野菜をたくさん食べるといい」ということは、本当でした。
しかし、いまは野菜の生産地のほとんどは無機農業に切り替わっているため、
いくら野菜を食べてもミネラル不足は解消しないのです。
私たち日本人は、「水と空気はタダ」であると、長い間思ってきました。
高度経済成長政策によって、バブル経済に突入する昭和30年代の始めまで、
実際に私たちの多くは、川の水をそのまま飲み、生野菜をそのまま食べていました。
空気清浄器などとは、無縁の生活だったのです。
ところが、今はどうでしょうか。
大気中にはおびただしい量の窒素酸化物が浮遊しています。
井戸水や湖や池や川の水は、ありとあらゆる化学物質によって汚染されています。
土壌はと言うと、農薬・化学肥料を大量に使用する無機農法が定着してしまったために、
破壊されたと言っても過言ではない状態です。
現在、水はペットボトルに入れられてスーパーやコンビニに並べられ、
その価格はガソリンを上回るほどになつています。
空気も、空気清浄機などによってよいものへと変える努力がなされ、
花粉症の季節には、マスクをしての外出というのが、普通になつてきています。
水も空気も、いまやタダではなくなってきたのです。
危険なのは、汚染された空気、危ない土壌で作られた農産物だけではありません。
危ない土壌で作られた農作物を与えられて育った家畜の肉も、当然のことながら危ないのです。
そんな環境下で、健康でいることなどできるでしょうか。
現在、私たちは、空気清浄器を付けた部屋で、高いペットボトルの水を飲み、
野菜やコメも産地を確かめて、農薬の残留濃度を心配しながら、生活しなければならなくなつています。
炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルを、五大栄養素と言います。
私たちの体は、従来は飲食によって、これらを自然に、バランスよく取り入れて、
身体を成長させ維持してきました。
今では、このバランスが崩れてしまったために、なんらかの自衛処置を取らなければならなりません。
そこまで、追いつめられているのです。
特にミネラルについては、悲惨な状態です。
水道水について考えてみましょう。
生活排水や工場廃水で汚染された川や湖の水は、当然そのままでは飲めません。
体に害があると思われる不純物は、取り除かねばなりません。
まずはゴミを取り除き、人工的に作り出された化学物質を除去し、
ヒ素や鉛、カドミウム、六価クロム、水銀などの毒性をもった金属を取り除きます。
有機物質に対しては、生物処理をしたり、塩素処理をしたりします。
病原体などの微生物にも、塩素を添加して殺菌処理をします。
水源を守る唯一の根本的な解決策は、重金属が含まれないようにすることですが、
今ではそれも難しくなつています。
塩素は、食塩水を電解して工業的に作られるものです。
空気より重く、他の元素と化合しゃすく、酸化力が強く、植物性の色素を褪色する作用があるので、
酸化剤、漂白剤、消毒剤などに広く使用されています。
処理された水は、一応は飲用可能な水となりますが、この塩素を使って処理される過程で、
ミネラルの一部も取り除かれてしまうのです。
味覚に働きかけて美味しさを感じさせてくれるミネラルバランスを崩し、
さらには清涼感を与えてくれる酸素の味を台無しにする塩素臭が、
味も素っ気もない水どころか、まずい水道水にしてしまうのです。
自然のままの土壌や水中には、人体の生理作用に必要な、カルシウム、鉄、亜鉛、コバルト、
マンガンなどの微量元素(ミネラル)が含まれています。
しかし、土壌の中には無限に含まれていると言ってよいほど多く含まれているミネラルも、
イオン化されて水に溶けていないと、植物は吸収できないのです。
これに対して、微生物にある有機ミネラルの吸収は容易です。
私たちはこれらのミネラルを、植物を通じて体内に吸収します。
あるいは植物をエサとして育った家畜や、魚や、野生の動物を経由して吸収します。
その大切な供給源である水や土壌が汚染されて、土壌からミネラルを吸収利用する微生物が死滅して、
偏った微生物相になつてしまったのですから、ことは重大です。
水は、家庭や工場などを経由して、海に流れ込みます。
その過程で、天ぶら抽、洗剤、漂白剤、機械の洗浄剤、添加物など、さまざまな汚れや化学物質が混入し、
ふたたび地球上を循環します。膨大な量の汚染物質が、確実に蓄積され続けているのです。
それを除去するために、新たな薬品が開発され、さらに別の種類の自然被壊活動を招くといった、
果てしない繰り返しが続いています。
これらのことが、微生物の多様性を阻害し、ヘドロという嫌気性菌汚泥などの偏った生物相を形成していきます。
農薬による土壌の汚染は、さらに深刻な社会問題になつています。
微生物の減少は、ミネラルの欠乏に直結します。
人間の生存に必要なミネラルを供給してくれる植物は、土からその栄養分を吸収します。
植物が、光のエネルギーによって吸収した二酸化炭素と水分から有機化合物を合成する光合成は、
炭酸ガスと水と太陽光線だけがあればいいという訳ではありません。
植物の遺伝子は、ミネラル(常量ミネラルと微量元素)を必要としています。
植物の生命の営みを行うタンパク質は、ミネラルを触媒にしなければ、生成されません。
植物は、根の先から根酸を出して土を溶かし、そのなかに含まれているミネラルを吸い上げて、
葉に送り込みます。そこで初めて、光合成が可能になるのです。
ミネラルが水に溶けていれば、すぐに吸い上げることができます。
葉緑素のおもなミネラルはマグネシウムです。
土壌にマグネシウムが不足すると、植物はうまく成長することができません。
以前は、人糞や堆肥などの有機肥料を使用していましたから、ミネラルが合理的に循環していたのです。
化学肥料に頼るようになつてから、そのバランスが崩れ、そのうえ殺虫剤や殺菌剤、除草剤、
植物成長調整剤から殺鼠剤、その他さまざまな農薬が使われるようになりました。
そのことにより、生態系の物質循環に重要な働きをするバクテリアまで、被壊してしまったのです。
農作物を一度に大量生産するためには、それに見合った量の化学肥料を投入しなければなりません。
また、大量の農薬を散布しなければなりません。
窒素とリン酸とカリを与えて、植物を形よく大量に生産することだけはできました。
しかしそれは、栄養素もミネラルも不足したもので、野菜とは名ばかりのものとなつているのです。
店頭に並べられている農作物は、いかにもきれいで美味しそうですが、
微量元素のミネラルはいうまでもなく、炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミンも不足した欠陥商品です。
ミネラルを含んでいない野菜や果物をいくら食べても、体のためにならないばかりか、
残留農薬によって、病気にさせられてしまう危険性さえ含んでいます。
人類は食糧確保のために、農業技術を最優先して開発してきました。
品種を改良し、窒素・リン酸・カリを人工的に与え、育てる無機農法を開発しました。
最近では遺伝子組み換えの作物まで作り出しています。
そのような進んできた近代農法には、それなりの功績がありました。
大量生産、大量供給の要求に、見事に応えたのです。
しかし、その近代農法には、大きな欠陥があり、
それがいま先進国に蔓延する現代病という形で、明らかになつてきたということです。
私たちが、普投食べている野菜、穀物、その穀物を食べている家畜の肉には、
微量元素はほとんど含まれていません。
かつては微量元素が含まれていましたが、いまはほとんど含まれなくなつたのです。
そのことに、世界中の科学者が気づかなかったために、悲劇が起こつているのです。
20世紀に、私たち人類は、先進国を中心に効率的な社会を作り上げ、
作物自体の遺伝子を使わないで実らせたり、菓を茂らせたりする無機農法の技術を開発しました。
そのことにより、ミネラル不足の農作物を大量に作り出すに至ったのです。
そのことにいま、私たちは気づいた訳ですから、農地・耕作地は有機農業時代のものへと改良され、
微量元素を豊富に含む野菜や穀物がつくられるようになるでしょう。
そのよぅにすることは、さほど大変なことではないので、いずれ大地は復原され、
栄養豊富な野莱や穀物が、私たちの食卓を飾ることになるでしょう。
しかし、それは1年後、2年後のことではありません。
もうしばらくかかるはずであり、それまでの問にあなたが現代病に雁思しないという保証はありません。
ミネラル欠乏症が、アレルギー疾患をもたらした
東京の雑踏に、アトピー性皮膚炎のために、化粧をしていない女性が増えています。
春先には、花粉症のため、男女を問わずマスクをしている人も増えています。
アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー疾患も、ミネラルの欠乏が原因であると言えます。
アレルギー疾患の患者さんは、ご自分のアレルギー体質を恨み、
アレルゲンのダニやハウスダストやスギ花粉を恨み、抗原性の食品に厳しい眼差しを向けていますが、
責める相手が違います。
ダニやハウスダストや花粉は、2番目の原因で、1番の原因は微量元素(ミネラル)の欠乏なのです。
原因を正しく認識しないで、対処療法でいくら症状を抑えても、根本的な対処にはなりません。
アトピー性皮膚炎や花粉症が、なかなか治らないのはそのためです。
アレルギー疾患は、ミネラルを十分に含んだ食べ物を摂取することによって、治ります。
しかしながら、いまスーパーで手に入る食材のほとんどすべてに、必要なだけのミネラルは含まれていません。
食事指導をしても治らず、
《超ミネラル水》を飲むことによって、アレルギー疾患が治っているのは、そのめためです。
重要な点なので繰り返しますが、現代病の原因が微量元素という遺伝子ミネラルの欠乏にあることは、
いまや疑いの余地がありません。
ミネラルが不足すると、ガンの遺伝子を多く持った人はガンになり、
糖尿病の遺伝子を持っている人は糖尿病になるのです。
同じようにアレルギー体質の人は、ミネラルが不足することにより、ダニや花粉に反応して、
アトピーになつたり、喘息になったり、花粉症になったりする訳です。
病気やケガを治す処置を、手当てと言います。
手当てという言葉は、悪いところに手を当てるところからきているのですが、
最近の医療機関は、手当て(病気を治す)どころではなく、診断(検査)するところになつてしまったかのようです。
このことも、現代病を数多くの人が共有することにより、
「当り前のこと」「加齢にともなう自然なこと」と、多くの人が錯覚しているように、
「当り前のこと」のようにみなされているように思えてなりません。
しかも、医療機関において、診断(検査)するのは機械です。
大きな病院に行くと、まずは検査が行われます。
]線撮影、エコー、心電図、CT、MRIなど、高度医療機器を駆使してのさまざまな検査が行われ、
それを医師が分析して判断するのならまだしも、診断の結果も、機械が出します。
診断の結果は、医師から告げられるので、患者さんはお医者さんが診断してくれたと思うのですが、
医師は機械が行った分析を読み取っているだけなのです。
医者が直接患者の脈をとり、聴診器を当て、触診をし、薬を処方するといった手当ては、
大きな病院に行けばいくほど、受けられなくなつています。
いくら検査をしても、病名が分かっても、適切な手当てができなければ、病気は治せません。
病気を治すためには、原因を突きとめなければなりません。
医師に、どうして病気になつたのか、何が原因なのかを聞いても、たぶん納得できる答えは得られないでしょう。
現代の医療は、二言で言えば、血圧が高ければ血圧を下げる薬を飲ませるという医療です。
頭が痛ければ痛みを抑える薬を処方し、下痢ならば下痢を抑える薬を処方する訳です。
しかし、痛みというものは、別の表現をすれば、生体の免疫反応です。
病気に対して抵抗する働きなのです。
痛みをこらえるのは辛いことですが、身体が本来持っている治癒反応にほかならないのです。
それを、「痛いのなら、痛み止めというようにを」薬を処方し、
無理に痛みを抑制すると、かえって症状を悪化させてしまうことも少なくありません。
現代の医療では、高血圧症の患者には、血圧を下げる薬を処方します。
これは、当然のこととされていて、「さて、どうしたものか」と考え込む医師はいません。
私の場合は、医薬品と併用して《超ミネラル水》を飲用してもらいます。
すると、だいたい3ケ月ほどで、血圧が安定してきます。
そうなれば、もう薬を服用する必要はないので、薬の服用をやめ、
健康体を維持するのに必要なだけ《超ミネラル水》を飲むようにしてもらいます。
抗ガン剤や放射線による治療は、一定の効果をあげていると言われています。
しかし、自然治癒力として備わっていた免疫力に、多大なダメージを与えていることは、
抗ガン剤や放射線治療を行う医師たちも認めています。
さらに、一口に抗ガン剤と言ってもいろいろあるのですが、
そのすべてに大きな副作用のあることも、認めざるを得ないというのが現状です。
抗ガン剤や放射線は、ガン細胞を叩くためのものであり、ガンを抑え込むある程度の効果はあります。
しかし、このときガン細胞とともに正常細胞をも叩くので、
激しい痛みに苛まれ、頭髪がゴソツと抜け落ちたりするのです。
その結果、「ガンを叩くことには成功したが、患者が死んでしまった」というようなことになつてしまうのです。
ガン治療については、抗ガン剤治療や放射線治療とともに、外科手術による摘出がよく行われます。
一時は「現代の治療とは、切り取ることだ」と言われたほど、摘出手術はポピュラーであったと言えるでしょう。
困難な手術、高い技術力を必要とする手術を成功させることは、医者にとっては手柄です。
医術の進歩に貢献するという意義もあります。
その結果、患者さんの命を救い、延命させることができている例も、もちろんあります。
しかし、切り取る医療にはおのずと限界があり、検討する時期に来ているのではないでしょうか。
手術をして悪性の腫瘍を取り除くことで、一時的には健康を回復しても、
腫瘍ができた原因が明らかにされないかぎり、いつまた再発するか分かりません。
実際にも、ガン病巣の摘出には成功したけれども、すぐにガンが転移して、
また手術をしなければならなくなつたという例が多いのです。
これからの医療は、悪いものを取り除いたり、悪い症状をなくしたりするだけはなく、
病気の元になつたものに注目する必要があります。
カルシウム、鉄、亜鉛、コバルト、マンガンなどの微量元素(ミネラル)が不足したために
病気になった場合には、取ったり、焼いてしまったりすることでよしとするのではなく、
それらを積極的に体内に補給させ、病院の原因となるものをなくしてしまう必要があるのです。
本来ならば、穀物や野菜などから微量元素(ミネラル)を摂取すべきですが、
それができないいま、とりあえずは《超ミネラル水》という代用ミネラルで、
微量元素の不足(どの程度不足しているかには、個人差があります)を解消し、
病気から解放されなければなりません。
ミネラルが十分に供給されれば、もともと備わっている人体の自然治癒力が健全に働くようになり、
病気になりにくく、病気になつてもすぐに治る体になります。
病気が治らないため医療費が増大している、医療は根本的な解決を目指すべきだ
医療ミスがたびたび問題になり、そのたびに医師や看護師の質の低下が指摘されます。
医師や看護師の弁護をする訳ではありませんが、最近の高度医療機器の開発には、目を見張るものがあります。
次から次へと、新しい高度な医療機器が開発され、
医師も看護師も新しく学ばなければならないことが、山積みといった状態です。
高度な医療機器は、次から次へと開発されるのですが、病気はなかなか治らず、患者は増え続けています。
病気がなかなか治らないところへ、新しい患者が押し寄せるため、
患者が蓄積され、どの病院も患者で溢れかえつています。
高度な医療機器に負けないくらい、新しい治療法も登場しています。
従来の方法では治らないので、これではどうか、こうしてはどうかと、新しい治療法の提案が、よくなされるのです。
ガン、心筋梗塞など、現代病の本当の原因は、ミネラル不足です。
現代病の大半は、ミネラル欠乏症なのです。
それにもかかわらず、これらの病気の副次的な原因のみを注目し、
これを何とかしようとしてばかりしているために、治らない新しい治療法で溢れかえるのです。
病気が治らないため、医療費が増大することは、誰の日にも明らかであり、
現実にも医療費は年々増大しています。
わが国には、1639もの健康保険組合があり、その6割以上が赤字です。
赤字の原因は、まずは医療費の増大であり、次にサラリーマンの給料が伸び悩んでいるためです。
健康保険糾は、おもに大企業のサラリーマン家族を対象にしているため、
大企業サラリーマンの給料の伸び悩みが、そのようなかたちで健康保険組合にも反映されているのです。
このままでは、健康保険組合の存続も危うく、
医療費削減は、健康保険組合にとっても焦眉の急の課題であると言えるでしょう。
世界に誇る「国民皆保険、国民骨年金」を掲げている日本の政府にとっても、医療費削減は、焦眉の急の課題です。
厚生労働省は、現在9000ある病院を、6000程度に減らす方針です。
その代わりに、質をよくして、国民の納得を得ようとしています。
少子化になつて久しく、今や路上で、通学中の大勢の子どもを見ると、ほっとします。
40年前、私が医学生だったころ、小児科は花形の講座で、人気がありました。
それがいまや不人気で、ニーズのない、おいしくない医局となつているようです。
それは、小児科が労多くして収入の少ないものになつている現実の反映なのでしょう。
少子化により、子どもそのものと同時に子どもの患者も少なくなりました。
さらに小児の医療には、高額医療は少ないということもあります。
それに対して、現代病のほうは、とにかくなかなか治らない訳ですから、何度も検査し、
何度も治療することになります。
そのたびごとに、医療費が計上されるので、ガンや生活習慣病を扱う内科や外科は、
ニーズがあって将来性があると見られています。
近代以降、マイナス方式の西洋医学に頼り過ぎた
東洋の漢方と西洋医学の考え方の違いのひとつは、足すと引くとの発想の違いです。
東洋の伝統的な健康法は、たとえば心臓の機能を高めるには、どの薬草を用いて、
どの部分に何を補給すればいいかというように、足していくことを考えます。
心臓の弱っている機能を、本来の姿に戻すためには、どこに何を与えたらいいかと考えるのです。
一方で、私たちが日ごろなじんでいる西洋医学は、悪いところについては切り取り、
細菌はやっつけるというように考えます。
ガンの病巣ができれば摘出し、ガン細胞は抗がん剤で叩き、放射線を浴びせかけるという訳です。
そこで、次のようなことが言えます。
近代から現代にかけて、私たちは西洋医学に頼り過ぎたのではないでしょうか。
マイナスしていく処方で、悪いところを切り取っても、その原因を究明して、
原因から断ち切らなければ、また再発するのです。
しかも、対症療法として医薬品を投与すればするほど、人体にもともと備わっている免疫力は弱まります。
そのうえ、薬が強ければ強いほど、副作用も強く、新たな病気に悩まされることになります。
その悪循環から抜け出せず、苦しんでいるうちに、体力が衰えて、死期を早めてしまうのです。
日本人が成人病に悩まされるようになつたのは、経済の高度成長政策によって、
豊かになつた昭和30年代からです。
もちろんそれ以前にも、動脈硬化や高血圧、糖尿病、悪性腫瘍などの、いわゆる成人病はありました。
しかし、成人病が大きな社会問題となつたのは、空気も、水も、土も汚染され、
そのなかで生産される農作物を食べるようになつてからでした。
それに、肉に偏った食事、インスタントラーメンなどインスタント食品の多用など、
食生活の変化が、それに拍車をかけました。
炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルを5大栄養素と言います。
この中でミネラルだけは、他の栄養素のように体内で作り出すことができません。
ミネラルは、食べ物や水を通して、私たち自身が摂取しないかぎり、体内に取り入れることはできないのです。
人も動物も、土壌からミネラルを吸収した植物を食べることにより、ミネラルをもらいます。
化学肥料と農薬によって破壊された土壌には、細かい岩石としてのミネラルは含まれていても、
生物が使えるようなイオン化されたミネラルや有機ミネラルは、十分には含まれていません。
現在、土壌に含まれる生物が使えるミネラルの量は、50年前の半分から4分の1くらいであると言われています。
そのため、どれほど自然のものをたっぷり食べても、野菜を多く摂るようにしても、
私たちの体は微量元素(ミネラル)不足になつているのです。
人体の生理作用に、明らかに必要な栄養素としては、
カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどの常量ミネラルと呼ばれる成分と、
鉄、亜鉛、コバルト、マンガンなどの微量元素と呼ばれるものの存在が知られています。
ミネラルについては、科学的にまだ解明されていない部分が、ずいぶんあります。
ミネラルが人体の代謝に深くかかわり、健康維持に大切な働きをしていることはたしかなのですが、
どの元素がどのように作用し、他の元素とどう関係しているのかは、分かっていません。
個々の元素の存在量そのものが少なく、相互に複雑に絡み合っているために、
「なぜ体にいいのか」のメカニズムが、まだ十分には解明できていないのです。
そのため、一般には.漠然としたイメージで理解され、
西洋医学を学んだ医師の多くは、ミネラルの効用、有効な薬理作用については懐疑的です。
必要は認めるけれども、たいした効き目はないのではないかという意見から、
摂り過ぎると中毒になるという意見まであって、全体として対応は慎重であると言えます。
しかしながら、生活習慣病の患者に《超ミネラル水》を飲用してもらうと、
大きな治療効果のあがることは、否定しようのない歴然たる事実です。
最近、ICPmSによって、非常にわずかな元素の質量も測定できるようになり、
微量元素の科学的な研究が可能になりました。
そのため、微量元素(ミネラル)が、どのようなメカニズムで現代病に大きな治療効果をあげるかを、
研究しようと思えばできるのです。
それにもかかわらず、この分野の研究が進まないのは、科学者のほとんどが、
微量元素(ミネラル)の重要性に気づいていないからでしょう。
微量元素(ミネラル)を摂取することにより、
ガン、糖尿病、アトピー性皮膚炎、脳梗塞の後遺症などの症状に、
顕著な改善が見られるのは、厳然たる事実であり、疑いの余地はありません。
もともとこれらの生活習慣病は、ミネラルの欠乏によって引き起こされたものですから、
ミネラルを補給すれば、症状が改善されるのは、しごく当然のことなのです。
ミネラルが、生命を維持する代謝の中心に位置している
どのミネラルが、どんな働きをしているかということは、
いまのところ、それが欠乏したときに起こる症状によって、判断することができます。
ミネラル自体にはカロリーはありませんが、タンパク質やビタミンと反応しながら、
身体の発育、生理作用のコントロールなど、人体の健康的な発育を促し、
生命を維持していく代謝の中心に位置しています。
また、ミネラルは、自然界のあらゆるところに存在しています。
鉱物にも、土壌にも、水中にも、空中にも存在します。
私たちはそれを、農作物を通して食べ、草原の草や穀物などを食べて育った家畜の肉を食べることによって、
体内に吸収していきました。
化学肥料や農薬によって土壌が汚染される無機農法以前の、
ミネラルが豊富に含まれていた土で育った野菜を食べていた時代には、
私たちはミネラルの存在を知らなくても何の問題もなかったのです。
現在のスーパーなどで売っている無機野菜に、微量元素が壊滅的に少なくなつてきたことから、
問題にせざるを得なくなつてきたのです。
2001年の科学技術庁の食品成分分析調査によると、現在の(無機農法の現在)のニンジンとホーレンソウは、
昔(有機農法のころ)のものに比べて、鉄分の含有量が7分の1から、20分の1だそうです。
鉄分だけに限っても、ホーレンソウから昔と同じ量の鉄分を摂取するためには、
7倍から20倍も食べなければならないということです。
激増している「半病人」のはとんどは、ミネラル欠乏症
何となく体がだるい、肩が凝る、頭が重いといった経験は、日常的に誰にでもあることでしょう。
たいした病気でもないのに体調がすぐれない、医者にいくほどではないが、不快な日常症状がなかなかとれない。
これらの症状があると、あなたは立派な「半病人」です。
私たちは、自然に調和し、自然をうまく利用することで、文明を育ててきました。
しかし、その過程で、近代の文明は、自然破壊という大きな過ちを犯しました。
土壌を汚染し、空気や水を汚し、生態系のバランスを崩してしまったのです。
そのツケが、食物を媒介にして、人体に及んでしまったのです。
水道の水はまずくなり、汚染された水や大気や農産物を通して、無数の有害物質が体内に蓄積されています。
これらの有害物質が、弱っている酵素の働きをさらに阻害して、正常な細胞の成長と活動を妨げているのです。
そのために、結果的に発生したミネラル不足が、人体が自然に持っていた治癒力を奪い、
おびただしい数の病人と半病人を作り続けているのです。
さらに、食生活の乱れと抗生物質の多用による免疫力の低下が、
ストレスに対応できない「人という生物」を作ってしまいました。
食物や水から、体内に取り込まれていたミネラルが減ったために、人はさまざまな病気にかかりやすくなりました。現に苦しんでいる人たちが大勢いるのですから、
何らかのかたちで、人為的にミネラルの補給を考えなければならないのは、当然のことです。
ミネラルの使用量については、一定の基準はありません。
動物実験や臨床試験、治療経験などから、使用量を割り出しています。
それというのも、それぞれの生活習慣、年齢、性別、身体の特徴など、考慮すべき要素が多く、
いちがいに決める訳にはいかないからです。
ミネラルは、不足しているからといって、むやみに摂取すればいいというものではありません。
ひとつのミネラルが過剰になると、他のミネラルの吸収を妨げ、
新たなミネラル不足を生ずる「括抗作用」を起こすからです。
そのような括抗作用が起きると、ミネラルのバランスが崩れ、
健康を維持する働きをしなくなるので、注意が必要です。
最近になつて、さかんに使われだした海洋深層水について、
カルシウムとマグネシウムの比率が問題にされるのは、この括抗作用を考えるからなのです。
カルシウムとマグネシウムを2対1の割合で摂取すると、マグネシウムがカルシウムの吸収を促進して、
代謝を効果的にコントロールしてくれるのです。
このようにミネラルは、相互の関連を保ちながら、生体を健康に保つ働きをするのです。
私が使っている《超ミネラル水》には、微量元素がバランスよく含まれているだけでなく、
毒性のない《超ミネラル水》(代用ミネラル)が、豊富に含まれているという特長があります。
生理作用的にみれば、微量元素にしろ《超ミネラル水》にしろ、ミネラルによる治療によって、
正常な代謝機能を完全に回復するためには、ほぼ3ケ月かかります。
ミネラルを、バランスよく一定の期間摂取すると、完壁な効果が期待されます。
ストレスは、ミネラルのバランスを崩す
過度のストレスによって、胃腸に潰瘍ができたりする人は少なくありません。
潰瘍の発生を抑制する亜鉛の血中濃度が低くなり、胃に十分供給できなくなるのが原因とみられています。
このストレスも、ミネラルと密接な関係があります。
ストレスによって血液中の亜鉛濃度が下がるのは、
ストレスによって肝臓で生成されるメタロチオネインというタンパク質が多くなり、
その際に亜鉛が大量に使われるために、血液中の亜鉛が肝臓に集められるためです。
銅は、その道に、ストレスによって血中濃度を上昇させますが、このことによる人体への影響は、
いまはまだ明らかになつていません。
いずれにしてもストレスは、体内の危うい台の上に立っているようなバランスを崩して、疾病を引き起こします。
ミネラルの実態解明が進めば、ミネラルの重要性は、ますますはっきりと認識されるでしょう。
アルコールを飲み過ぎると、亜鉛が排出されやすくなり、亜鉛欠乏症になる
肝臓は、タンパク質の代謝を行う臓器であり、ミネラルそのものの代謝も行っています。
アルコールを日常的に飲み過ぎると、亜鉛が排出されやすくなり、亜鉛欠乏症になります。
アルコール依存症やアルコール性肝硬変の人は、一般的に血中亜鉛濃度が低くて、
低亜鉛血症になつていることが多いのはそのためです。
銅の血中濃度が上がる傾向にあるのも、アルコールによって、体内が過度のストレスを
受けているのと同じ状態にさせられるからです。
アルコールは、セレンの血中濃度も上げて、肝臓障害を引き起こすという報告もあります。
生体エネルギーと塩
ところで、塩は塩素とナトリウムという二種類の元素で構成されています。
どちらの成分も人体にとっては重要な成分です。
たとえば、ビタミンDが不足するとクル病になるなどビタミンの場合は欠乏すると、
特定の病気をひきおこします。しかし、塩は、細胞の浸透圧を調整していますから、
その調整に狂いが生じると死を招くことにもなりかねません。
つまり、塩分不足は人体に大変な危険を与えるのです。
人体のおよそ七〇パーセントは水分です。
この水分とは、細胞内や細胞外、血管、リンパ管などの脈管内に分布している体液のことをいいます。
水分は濃度の薄い方から濃い方へと流れ、イオン濃度を調整する役目を果たしています。
一方、ナトリウムイオンは濃度の濃い方から薄い方へと流れ、イオン濃度を調節しています。
このようにイオン濃度の差によって引きおこされる水分や
ナトリウムイオンの濃度調整が、体内で大切な役割を果たしているわけです。
たとえば、栄養素はそれぞれの細胞に分配されます。
この分配作用はイオン濃度の違いによっておこなわれます。
この移動のほとんどをナトリウムイオンがおこなっているわけです。
ですから、細胞がその働きを保っていられるのは、塩がもたらす浸透圧のおかげであり、
その浸透圧を保っているのは塩分、ということになります。
イオン濃度の差によって栄養素が吸収されるというのに、細胞内の塩分が半分になったら、
細胞内のイオン濃度は当然低下します。
すると、細胞内の水がほとんど流れてしまい、細胞は細胞としての役割を果たすことができなくなるのです。
生体エネルギーとプラズマ
細胞と塩分
生きた細胞はすべて電気的性質をもっています。
それは、私たちの体の細胞内で働く荷電粒子のためです。
荷電粒子とは、体液、血液、血球、血清、器官の細胞内を埋めている細胞内の外液、
脳室を満たしている脳脊髄液などの塩分を含んだ液のことです。
この液は私たちが海から生まれたといわれる進化の名残といえるでしょう。
この塩分を含んだ液は、ごく少数の元素からなっています。
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどは、プラスの荷電として存在しています。
塩酸、リン酸、炭素、酵素から細胞内で合成される酸などは、マイナスの荷電として体液中に存在しています。
ここで帯電した分子がイオンと呼ばれているわけです。
細胞内液にはカリウムイオンが多く、細胞外液にはナトリウムイオンが多く含まれています。
このナトリウムイオンとカリウムイオンでは、ナトリウムイオンの方が電位が高く、
電気の膜は外側がプラス。内側がマイナスです。
このイオンが入れ代わったり、元にもどったりすることによって、細胞から一種の電気が発生します。
この極生の逆転作用が筋肉、内臓、神経を動かす活動電流といわれます。
生命の基本は細胞の活動にあります。
人間は、食べた栄養素を細胞に送りこむ必要があります。
たんばく質、脂肪、糖質、ミネラル、ビタミン、は最小の構成単位に分解され、それを細胞内に運びこみます。
細胞ではそれをもう一度プロティンにつくりかえます。
このときに必要なのが強い触媒作用となる酵素とエネルギーです。
このエネルギーは、アデノシンVリン酸(ATP)という物質の作用によります。
ATPは一つ一つの細胞の「ミトコンドリア」という生産工場からつくられます。
この工場はあらゆる原生生物から高等生物にまであり、ここから活動のエネルギーが発生しているのです。
ミトコンドリアは、特殊な膜に包まれています。
膜の中にはチャージリンという蚤白があります。
そのチャージリンが、膜を境として、マイナス、プラスに帯電させます。
それは、いわば電池をつくっていることと同じです。
私たちはこの電池を消費して生命活動に必要な科学エネルギーであるアデノシンVリン酸を生産するわけです。
ATPは三つのリンを持っています
そのうち、二つのリンが高いエネルギーを出す物質で、
そのうちの一つが失われて、ADPアデノシンHリン酸となります。
ADPは、さらにリンを受け取って、再び、ATPになります。
この反応の繰り返しから発生するエネルギーが筋肉活動や心臓の鼓動を生み、
臓器や、神経活動などの生命活動がおこなわれる起電子となるのです。
ではこのエネルギーを高めるにはどうしたらいいのでしょう。
細胞は六〇兆あるといわれています。そのひとつひとつがバッテリーになっているわけです。
ということは、そのバッテリーである電気力を高めることが必要になります。
電気力を高めるには、塩分がその元になっているという事実を考えると、
おのずからどんな成分を体内に吸収すればいいのかがわかります。
通電の元になっている水分は塩分を含んでいるわけです。
つまり、いい塩分をとって通電をよくすることが、
体にとってとても大切なことだというのが、おわかりいただけるでしょう。
塩分プラス、大自然の電磁波(プラズマ)を効果的に利用することこそ、活力を生む体をつくることになるのです。
健康とは電気力が中和していること
宇宙にはいろんな力があります。
大別すると重力、電気力、核力の三つになります。
しかし、それも科学の進展とともに、電気力の一つに統一されるだろうという識者も大勢いるようです。
ところで、すべての物質は、私たちの細胞を含め、原子からつくられています。
このすべての根源である原子は、電気的にプラスとマイナスが調和された状態(中性)に保たれています。
原子が集まって分子をつくり、分子が集まって生命体の根源である細胞をつくっています。
これらの細胞はすべて電子を帯びているので、化学的ふるまいはすべて電気的ふるまいであるといえます。
怪我をしたり、打撲などをしたときにも、その部分はプラスとマイナスの調和に乱れが生じていることになります。
怪我だけではありません。
ストレスや精神的な緊張がつづくと体のある部分が電気的に調和を崩してバランスが悪くなり
病気を引きおこす原因になります。
また、熱いお湯を飲んだり冷たい水のようなものを食べたりしたときにも、
食道や、胃で一時的に電気的中性が損なわれます。
さらに私たちの周囲には、体内の電気的バランスを崩す原因となっているものがたくさんあります。
たとえば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、ワープロ、パソコン、その他電化製品は、
使用すると必ず微量ながらプラス電気を放電しています。
毎日のようにテレビを間近で見ている子供に、虚弱体質が多いのはこのような原因があるのです。
電波はイオンバランスを崩れさせ、精神のアンバランスを生んだり、肉体を歪ませます。
無線通信、レーダー、各電気設備から出る電波(電磁波)などがその類です。
それについて、かつて郵政省の諮問機関の電気通信技術審議会は、
電磁波は人体に悪影響を与えると正式に認めました。
電波のエネルギーによって、生体深部の体温が上昇したり、
奇形胎児の原因になるという例を報告している欧米では、早くから安全基準を制定しています。
日本でもようやく人体を守るための安全基準を具体化し、答申しました。
ちょっと話は塩からずれますが、この電磁波公害についてもっと私たちは気を配る必要があります。
というのは、欧米の実験で、猿に携帯電話の電波(体重1キロ当たり二・六ワットの強さ)を
四時間照射したところ、猿の角膜内皮が損傷したり、ガンの発生、胎児奇形が生じた、という報告があります。
携帯電話を使用する場合は、なるべく目の周辺にアンテナは近づけずに使用するように気をつけるべきでしょう。
さもないと眼球に電波障害をうけることにもなりかねません。
現代は電波障害の渦
日常の生活の中にも電波による障害は数多くあります。
マンションなどはコンクリートで固められているために、放電された電気が大地にアースされることがありません。さらに密閉されているので、プラスの電気が充満しています。
ジュータンの化繊がそれに追い打ちをかけます。
つまり絶縁状態になっているわけです。
衣服も悪条件として重なります。
私たちの体は、自然に健康を保つため、電気的(イオン)に調整して不必要なエネルギーは、
プラス電気として放電しています。
しかし、衣服の素材が化学繊維でできているために、静電気を発生させるばかりではなく、
絶縁状態となりプラス電気を放電してしまいます。
私の前著『健康へのご招待』でも紹介しているので、詳しいことは避けますが、
アメリカでは、子宮筋腫になったり、子宮ガンになっている女性の九〇パーセントは
ナイロン製の下着を着用していた、と報告されています。
このように衣服によって体に電気(プラスイオン)は放電できず溜まったままになります。
外出しても、道はアスファルトやコンクリート。
靴は不導体化学製品で作られているゴム底あるいは、ナイロンビニール底ときています。
食べ物はといえば、インスタント食品の洪水。
コーラ、農薬汚染の食物、食品添加物、酸化した揚げ物、これらは、すべて電気力の調和を乱す原因になります。
つまり現代人の生活は、プラス電気を充満させるようにできている、ということになるでしょう。
文明の発達は度を過ぎると、人間の生活を自然から引き離し、自然の電磁波を乱します。
実際、大気の中には、人体に悪影響を与える金属粉や亜硫酸ガスが増加しつづけています。
人間は自然界に存在する多くの電磁波エネルギーの中で誕生し、生命を維持してきました。
この波動エネルギーが生体内の電気的調和をはかってきたといってもいいすぎではありません。
また、それこそ人間の進化を支えてきた原点です。
しかし、現代の社会環境にあって、
自然界に存在するエネルギーだけで、生体内の電気的調和をはかることは無理でしょう。
ましてや病気を治すための電気力の調整は自力では不可能に近いでしょう。
こんな時代だからこそ、
私は宇宙からの電磁波(プラズマ)を利用して細胞を活性化する方法を提唱してきました。
プラズマについては前著を参照してもらいたいと思いますが、プラズマは自然治癒力を引き出します。
それは宇宙から、天からくるエネルギーの恵みです。
これら天から降り注がれるエネルギーに加え、
人間誕生の原点となる大海のエネルギーをドッキングさせることにより、
強烈なパワーを人体の細胞内に与える……それが、天然塩を活用する原点なのです。
本書は、平成五年に刊行した 『塩で万病を治す』 の改訂新版です。
人間の体にとって塩は必要不可欠なもの。摂取しなければ死を招きます。
それゆえ、古代の人々は塩を得るため、塩の道″と呼ばれる交易ルートを確保したり、
地域にょっては塩が貨幣の役割を果たしたりしていました。
ちなみにサラリーマンの語源はラテン語のSalarium″(塩の)。
塩を買うために支払われたお金をサラリーと言い、それがお給料の意味に変化していったとされています。
日本でも戦国時代に上杉謙信がライバルである武田信玄に塩を送った話が有名です。
海に面した越後の上杉謙信は、
領地に海がなく敵に塩の道を封鎖された甲斐の武田信玄に塩を送って窮地を助けました。
まさに、古今東西、塩の有無は死活問題だったのです。
ところが、二一世紀を迎えた今、塩は悪役となっています。
スナック菓子や味噌、醤油、梅干し、干物、漬け物などさまざまな食品が
「塩分控え目−」というコピーを前面に出し、まるで塩分は健康の敵、
塩分を摂らないことが、健康につながると言わんばかりです。
CMばかりを責めるわけにはいきません。
医師や医療機関も、高血圧や糖尿病を始めとする生活習慣病を予防するには、
減塩の食生活が必要であると主張しています。
医療機関が減塩を勧め、マスコミがその主張を伝えるのですから、
一般の人たちが塩分を控えようと考えるのは当然でしょう。
塩分たっぶりの料理は、健康に無関心な人、知識のない人が食べるといった風潮です。
だからこそ、食品メーカーも「塩分控え目!」をアピールせざるを得ません。
しかし、塩の摂り過ぎは本当に体に悪いことなのでしょうか?
私は声を大にして「それはえん罪だ!」と言いたいと思います。
最初に述べた通り、塩は人間の体に必要不可欠なもの。
人体の血液、胃液、細胞内には塩が含まれていて、組織内の浸透圧を調節しています。
人体から塩分がなくなれば、体液バランスが崩れて死を招きます。
また、塩分が長期にわたって欠乏すると、消化液の分泌減退、食欲減退、疲労などを引き起こします。
そのほか、塩には腐敗を止め、化膿を防ぎ、悪臭を消す作用もあります。
そのため、塩は苦から不浄のものを清めるためにも使われてきました。
今でも、葬式から帰った時に体に振りかけますし、大相撲では力士が取り組む前に土俵にまいて清めます。
つまり、塩には不浄のもの、体に悪いものから身を守ってくれる力があると考えられてきたのです。
塩が生命の維持に必要なのは、人間だけでなく動物も同じです。
私が塩を持って牧場に行くと馬が駆け寄ってきます。
本能的に塩の大切さを知っているからです。
塩分の不足した鹿が人里の小便壷に近づく習性を利用した捕獲法があるのもうなずけます。
このように生命の維持に大切な塩ですが、実は天然の塩であってこそ、その役割を果たせるのです。
現在、大量に流通している科学製法で作られた塩の成分は天然塩の成分とは違っています。
本来の塩と違う科学塩を、日常的に摂っていては体に良いわけがありません。
つまり、塩を控えなくてはいけないのではなく、科学塩を控えなければいけないのです。
天然の塩にとって、減塩のススメ≠ヘ濡れ衣と言えます。
では、なぜ科学塩が大量に流通しているのでしょうか?
日本では昭和四七年に塩業近代化臨海措置法が制定され、それまで全国二七カ所あった塩田をすべて閉鎖。
イオン交換樹脂膜製法という科学製塩法に転換されました。
イオン交換樹脂膜製法に全面転換した理由は次の通りです。
@生産価格を抑え、販売価格を安定させる
A大量生産が可能
B日本の塩の自給を守る
C純度を高める
イオン交換樹脂膜製法は、海水を石油系の物質で作った半透明膜(イオン交換樹脂膜)を通過させて、
直流電流を流し、ナトリウムイオン、塩素イオンを分解して集め、塩水を濃縮して製造する方法です。
この方法では九九・五%が塩化ナトリウムという高純度の塩を生産できます。
しかし、天然塩に含まれているミネラル類はほとんどありません。
塩の中にミネラル類が含まれていないと、
体液の流れを正常に保つために重要なイオン濃度などのバランスが崩れてしまいます。
血栄中のナトリウム濃度と、赤血球中のカリウム濃度のバランスが取れてはじめて健康を維持できるのです。
科学塩を摂り過ぎると、血栄中のナトリウム濃度が異常に高くなったり、
アレルギー性疾患や生活習慣病にかかりやすくなったります。
このように、科学塩ばかりを日常的に使っていたら確実に体を蝕んでいきます。
もともと塩は体を支えるエネルギー源だったのに、今では病気の原因になってしまっているのです。
イオン交換樹脂膜製法に比べ、
昭和四七年の塩業近代化臨海措置法が施行されるまで何百年と続いてきた塩田方式は、
自然の恵みである塩を自然の力を借りて作る方法でした。
日本の塩田は独自の発達をしてきました。
古代の天然の干潟を利用した素朴なものから、中世になると海水を汲み上げる揚浜式へ。
江戸時代には遠浅の海岸に堤防を築き、潮の満ち干を利用して海水を導く入浜式が考案され、
地形的に適した瀬戸内海沿岸に製塩業が集中しました。
昭和二〇年代には地盤に傾斜をつける流下式塩田が開発されました。
塩田に海水を取り入れた後は、太陽熱と風で水分を蒸発させてかん水≠作り、煮詰めて塩にします。
煮詰める釜は、奈良、平安時代には竹と粘土でできた釜を使い、
やがて石釜になり、明治時代には鉄の平筆大正時代に蒸気利用式、昭和になって真空式が登場しました。
明泊時代に安価な外国塩が輸入され始めたのを機に、
国内の塩業の保護と国庫収入の増収のために、明治三八年に塩の専売制度が制定されました。
以降、塩の製造、輸入、販売は
旧・専売公社(現・日本たばこ産業=JT)の指定を受けなければできなくなったのです。
しかし、専売制度はできましたが、伝統的な塩田による製法は続いていました。
ところが、昭和四七年に塩田を閉鎖し、
すべてイオン交換樹脂膜製法に切り替えるという暴挙のため、以後日本国中に科学塩が蔓延していったのです。
そして、生活習慣病の増加や健康志向の高まりから減塩ブームとなり、塩は悪役になってしまいました。
「塩足らず」という言葉は、調理する時に塩が足りないと間の抜けた味になってしまうことから、
能力が低い人のことを指すようになったとか。
まさに、間違った減塩生活のために塩なし人間″となり、病気になってしまう人が増えてしまったのです。
私はこのような状況に危機感をもち、平成五年に前著『塩で万病を治す』(現代書林刊)を著しました。
誤った減塩信仰に警鐘を鳴らし、健康にも美容にも力を発揮する天然塩の良さを知ってほしいという、
やむにやまれない気持ちでした。
そして、発売されるや想像以上の反響が涌き起こりました。
天然塩への関心が高まるとともに、私が提唱した塩入浴法や塩ダイエット、塩エステがテレビや雑誌などで
取り上げられ、ブームとなったのです。当時、インタビューを受けた出版社は三八社に上りました。
さらに、経済のグローバル化により、金融自由化をはじめ規制撤廃の波が押し寄せてきました。
塩も例外ではありません。平成九年四月一日に、九二年の長きにわたって続いてきた塩の専売制度が、
ついに廃止されたのです。
新しい塩事業法のもとでは、製造、輸入 (特定販売)、
卸売業については登録または届出だけでできるようになり、小売りは登錬、届出の必要もありません。
専売制度の撤廃により、
市場には昔ながらの塩田方式やその他の方法によるミネラル豊富な天然塩がたくさん出回るようになりました。
そのほか、岩塩や天日塩など世界各国から輸入されています。
世界の塩の生産量は約二億トン。岩塩や天日塩が多いと推定されています。
岩塩の採り方は二通りあります。一つは石炭と同じように坑道を掘り、採塩し、搬出する乾式探鉱法。
もう一つは岩塩層まで井戸を掘り、
パイプで淡水を注入し、岩塩を溶かし、塩水をポンプで汲み上げる溶解採取法です。
天日塩は、海水を貯水池、蒸発池、結晶池へと順次移しながら、太陽と風で水分を蒸発させ、
塩を結晶させる方法で作られます。
雨量が少なく、高温低湿、風があり、粘土質の地盤があり、流れ込む河川がないなど、
地勢的条件が整っている地域で行われています。
オーストラリア、メキシコ、中国、インド、カナダなどで、大規模な塩田があります。
このように、私たちの食卓に上る塩は科学塩一辺倒から一挙に種類が増えていきました。
そして、使ってみると、天然塩は美味しいということが実感できます。
料理に一振 りしても、おにぎりを結ぶ時につけても、科学塩とはひと味違います。
漬け物も科学 塩と天然塩では、引き出せる昧が違うのです。
私はコーヒーやお酒にも一つまみの天然塩を入れて飲んでいます。
隠し味となって、味が引き締まり、とても美味しくなります。
健康を意識して塩の成分が気になる人、塩エステなど肌に良い塩を求める人、
グルメ志向で美味しい塩が欲しい人等々、塩に関心をもつ人が多くなりましたが、
店頭にズラリと並ぶ塩の中からどれを選べばいいのか迷うようです。
産地、製法、成分、安全性、味など塩を選ぶ選択範囲が広がったのは、
消費者として歓迎すべきことでしょう。
それぞれの商品の特徴を把握して、選択していく時代になったのです。
九〇年にもわたる専売制度が廃止され、まさに塩にとっては文明開化 の時代を迎えたと言ってよいでしょう。
私のもとには前著を読みたい、塩のことをもっと知りたいという声が数多く届いています。
塩に興味を抱く人が増えたのはうれしい限りなのですが、前著を出版してから八年がたち、
書店で手に入りにくくなってしまいました。
そこで、このたび改訂新版を出すことにしました。
改訂に当たっては、専売制度が廃止されてさまざまな種類の塩が販売されているので、巻末に商品情報を付けました。商品選びの参考にしていただければ幸いです。
ゲーテは「人は自然から遠ざかるほど病身に近づく」と言いましたが、まさに自然は医です。
大自然のもつ大海のエネルギーが含まれている天然塩こそ、万病を治す原点と言えます。
自然から離れ、電気や石油のエネルギーでできたものに囲まれて暮らしていれば、
人間の体にひずみや歪みが出てきてしまうのもうなずけます。
花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー性疾患は、その代表例と言えるのではないでしょうか。
天然塩をはじめ自然に近づいた暮らしをすることが、健康を取り戻すことにつながるのではないでしょうか。
本書で詳しく説明していますが、
塩入浴、塩エステ、塩ダイエットなど天然塩を使ってすぐできる健康法を実践しながら、元気な体を作りましょう。
こうした毎日の小さな努力の積み重ねが、健康な体、美しい体を作るのには欠かせません。
これぞ、真の予防医学と言えるのではないでしょうか。
天然塩の素晴らしいエネルギーが、二一世紀を生きる人々を心身共に健康にすることを心から願って。
活性酸素と病気 人は酸素を利用している
私たちはいつでも、空気を吸って生きています。
呼吸を止めることは、死を意味します。
それだけ呼吸と生命というのは、大切な関係にある、というわけです。
呼吸をするのは、体内に酸素を取り入れるためです。
六〇兆の細胞が生きていくためにも酸素が必要だからです。
酸素が切れると生きていくことはできません。
そして、エネルギーの源になるのは、食物です。
食物を体内に入れ、それを燃やしてエネルギーにします。
食物をエネルギーに変化させるために働いてくれるのが酵素です。
酵素の原料は蛋白質、ビタミン、ミネラルですからこれらの栄養素が体内に入ってこないと、
エネルギーとして燃やすことができなくなるわけです。
そのときに必要になるのが、先に述べたATPです。
そしてATPを生産するときに必要なのが酸素、ということになります。
人体は、酸素を利用して食物をATPという形にし、エネルギーとしての利用効率を高めます。
食べ物を分解してATPを生産する過程で電子が発生します。
これをとりのぞき、無害化するために、電子の受皿として酸素が必要になるのです。
つまり、ある物質を酸化するというのは、その物質から電子を奪う、ということです。
私たちの人体は、ミクロでみると原子と核で構成されています。
ですから、生命現象というのは、電子のやりとりで成り立っている、といっていいでしょう。
そして、酸素が他の物質から電子を奪うことを酸化する″といい、
電子を受け取った酸素のことを還元″といいます。
また、電子が壊れた不安定な酸素のことを活性酸素といいます。
活性というのは、他から電子を奪う(酸化する)力が強い状態にあることです。
活性酸素は電子を求めて活発に動き回っています。
そしてこの活性酸素は、食べ物から生きるために必要な活動の源となるATPを生産する過程で、
酸素を利用すると必ず発生します。
活性酸素は他の物質から電子を奪う力が強いからです。
つまり、活性酸素に合った物質は電子を奪われ、酸化されてしまうわけです。
そして、必然的に発生する活性酸素のうち二パーセントはそのまま有害なものとして残ってしまいます。
この有害な活性酸素が病気の原因になる、というわけです。
活性酸素が原因となる病気
余分な活性酸素による障害としては、
●細胞膜を構成している脂質(不飽和脂肪酸)が余分な活性酸素によって、
酸化され、細胞の機能が低下する。そして臓器の障害がおきる。
●余分な活性酸素がコレステロールと結合して、さらに毒性の高い過酸化脂質をつくり、
悪玉のコレステロールによって、動脈硬化などをおこす。
などがあげられます。
また、活性酸素は、細胞の中心にある遺伝子をも酸化させ、害します。
遺伝子は、細胞の設計図ですから、その設計図が傷つくと異常な細胞が生まれてしまいます。
それがガン細胞などに変化していくわけです。
つまりガンというのは、活性酸素によって狂った設計図のために生まれた細胞である、ということになります。
設計図が狂ったまま細胞が生まれると、それが病気の原因になります。
活性酸素は呼吸をしているだけで生まれているわけですから、私たちは日毎、老化していきます。
それは避けられない現実です。
しかし、余分な活性酸素をつくらないようにすると老化はくいとめることができるのです。
余分な活性酸素が生じないような生活をするように、心掛ける必要があるのです。
SODと塩分
活性酸素が過剰になる原因には、
1、食品が農薬、除草剤、殺虫剤に侵されている
2、加工の段階で、腐敗防止のための殺虫剤、変質防止剤を使用している
3、細菌、カビ、虫、植物などの生物を殺す防腐剤によるもの
4、インスタントなどの加工食品を食べる
5、有害な電磁波を体に浴びる
6、喫煙、またはその環境にある
7、大気汚染などの自然環境の変化
8、ストレス過剰
9、塩素殺菌による水道水
10、古くなった酸化食品(ピーナッツ、ポテトチップ、魚のひもの、鰹節など)
11、過激な運動
12、その他
などがあげられます。
私たちは活性酸素が過剰になる生活環境に慣らされています。
現代に生きているのだからしょうがない、いまのままでいいというわけにもいきません。
いまのままの生活を続けていると、ますます病気社会になってしまいます。
人体は、活性酸素の攻撃を防ごうと、対抗手段を用意します。
しかし、それだけでは抗酸化機構の機能低下と活性酸素の過剰生産においつくことはできません。
そして体に異常が現れます。これが病気です。
ですから、できるだけ活性酸素を取り除く生活を考えなければなりません。
その手肋けをしてくれるのが、SOD(抗酸化酵素。スーパー・オキサイド・デイスムターゼの略。
ヒトや動物の肝臓などの臓器や血液中の微量に存在する生理活性酵素で、活性酸素を分解する働きをもつ。
炎症・リューマチ・ベーチェット病など膠原病、放射線障害防止、
さらに発癌抑制、老化防止などへの適用も期待されている)です。
私たちはSODが正常によく働くような生活をする必要があるわけです。
たとえば、胚芽、大豆、ハトムギ、ゴマ、小麦、緑黄色野菜を日常的に食べるのも手段のひとつです。
そして、さらに天然塩の力を借りることが重要です。
塩分は体内の隅々まで浸透して、バイ菌や食品の添加物、有毒物質が入り込む余地をなくしてくれます。
天然塩には解毒作用があるからです。
体内で、毒性物質を弱めたり、解毒機能を高めることによって、体内の毒素を追い出します。
そして活性酸素の過剰を抑えてくれます。
ようするに体内に有毒物質が入ってくるから、人体を守ろうとして活性酸素が過剰になるのです。
体内に毒素をいれないようにすると活性酸素過剰にもなりません。
人体に入る前から毒素を消去すればいいわけです。
食料に付着している毒素を始めから取り除いておけば、活性酸素が過剰になる心配もなくなるわけです。
天然塩には解毒作用があるため、肉や野菜は鮮度を保ち、本来の味を引き出すことは前にも述べています。
ということは活性酸素の異常原因を天然塩は最初から消去してくれる、ということにもなります。
農家では天然塩を農薬や殺虫剤の代わりに使用しているところもあります。
つまり天然塩にはそれだけの殺菌・殺虫力があるからでしょう。
塩を使用するのなら農薬汚染の心配はいりません。
塩がもつミネラルが土中に浸透し、栄養が倍加され肥料の助けにもなっているわけです。
最近は紫外線による皮膚の炎症が注目されています。
これも活性酸素が原因になっています。
紫外線によってメラニン色素の沈着がおこるからです。
また活性酸素の過剰は、しみ、そばかす、しわなどの原因にもなります。
これらを予防するには、皮膚を守る保湿作用のあるヒアルロン酸の働きを活発にする必要があります。
天然塩はこの作用を助ける力ももっています。
皮膚をイキイキさせる力もあります。
それらの効果はすべて、天然塩が細胞の新陳代謝を促進し血液をきれいにしてくれる結果です。
肉体活性の源、腸内細菌叢
ところで、病気を考える上で重要な要素となり、
また、人間とエネルギーを語る際にも忘れられないのは、腸内細菌叢です。
腸内細菌は叢をつくつて腸管に住んでいます。
これを腸内細菌叢といいます。
人間の生命活動は腸において食物が分解、合成、吸収されることにあります。
腸内細菌叢の腸内微生物のバランスが崩れると、胃の中で正常な栄養の吸収ができなくなります。
体内で合成された栄養に異常が発生し、異物となって血液の中に入ります。
それが全身を巡っていきます。
人体を内側から崩壊させていくわけです。
胃潰瘍は体内で製造された黄白質のプロテアーゼが、異物となって胃を異常な状態にしてしまう病気です。
自分で自分の臓器に異常を発生させるわけです。
弱っている部分に異常蛋白質が着床することがガンの原因の一つにもなっています。
従って、常に腸内細菌叢や腸内酵素群の働きを正常にしておかないと健康は保てない、ということになります。
人間の消化器官には、三〇〇種類、約一〇〇兆個(合計一キロ)の腸内細菌が生息しているといわれます。
腸管内にはいろいろな微生物が出している分泌物もあります。
また、腸管には、各種の酵素があり、これらの酵素は触媒作用をもたらしながら、
消化管内に入ってきた物体を分解し、それを人体に有用な物質に合成し、
腸内細菌を健全な状態にするために働きます。
腸内細菌叢と病気の関わりは多岐にわたることがわかっています。
感染症、消化器系の病気、肝臓などの臓器疾患、アレルギー、動脈硬化、胆汁、コレステロールの代謝、
薬物代謝などに加え、最近では、大腸ガンにも関係があるといわれています。
老化とも関係があり、脂質代謝に関係のあるステロイドホルモンの代謝にも影響があることがわかってきました。
腸内細菌叢はかなりの部分で人間の生体内の変化に関わっていることがわかります。
腸内細菌叢を健全な状態にしておくことが、健康の最大条件の一つである、といえるでしょう。
この腸内細菌叢の働きに大きな役割を与えるのが天然塩です。
天然塩は、腸壁や、血管壁の老廃物を溶解したり、腸の嬬動運動を活発にします。
消化液の分泌を助けながら異常発酵を防止します。
こうして腸内細菌叢や腸内酵素群が働きやすくなるような力を発揮します。
また、血液、体液、胃液、唾液、胆汁、尿などにも塩分は含まれ、それぞれが、腸内細菌に関わっています。
ですから天然塩を摂取して、
それらの働きをいつも正常にしておくことが病気を防ぐための大きなポイントになるわけです。
その他には、腸内細菌を活性化させるために乳酸菌エキスを摂取したり、
または酵素の働きを促進するために、
パパヤーゼ酵素(パパイヤの実からとれる酵素。熟に強く分解力が非常に強い)をとることも有効になるでしょう。
海水とミネラルの生命力 ミネラル不足と現代
必須ミネラルは十六種類
天然塩は、なぜこんなにも人体によい効果をもたらすのでしょうか。
それは海水の成分をすべて含んでいるからです。
ではどうして、海水からとる塩が人体に効果を発揮するのでしょう。
それは、海水にはミネラルが豊富に入っているからです。
ではミネラルとはなんでしょう。
ミネラルとは鉱物のことです。
鉱物とは生活機能をもたない無機物のことで、無機物とは炭素を含まない物質をいいます。
それらは火には燃えません。
蛋白質、脂肪、炭水化物、ビタミンは有機物でミネラルだけが無機物です。
最近はミネラルの研究も活発になっています。
ミネラルは五大栄養素の一つとして人体に欠くことはできません。
最近、特にカルシウム不足による骨折が増えています。
また、貧血症の方も増え、鉄分不足も叫ばれています。
このようにミネラルの不足による不都合が近年多くなっているのです。
しかし、一般的にミネラルに対する認識は低いようです。
さて、海水には九〇種類のミネラルが含まれているといわれます。
私たちが必要としているミネラルは約五〇種類といわれ、
その中でも健康維持のために必要なミネラルは次の十六種類です。
・カルシウム
・マグネシウム
・ナトリウム
・マンガン
・リン
・カリウム
・銅
・亜鉛
・鉄
・モリブデン
・セレニウム
・ニッケル
・クロム
・リチウム
・コバルト
・バナジウム
以上がそうです。
人間の体のおよそ七〇パーセントは水です。
そのうち五パーセントをミネラルが占めているのです。
この五パーセントのミネラルが生命活動の重要な鍵を握っている、ということになります。
弱アルカリ性を保つミネラル
私たちの体は、前にも述べているように、体重の三分の二が水ミネラルで成り立っています。
この水ミネラルとは細胞内や、血管、リンパ管など脈管内にある体液のことです。
体液は、細胞内液と細胞外液にわけられ、細胞外液には血球以外の血液成分、
リンパ液、組織間液が含まれています。
これらは、血球や栄養、代謝作用、老廃物媒体としての働きをしています。
イオン組成が一定のペーハー濃度や浸透圧など、生理化学的に〓正に保たれることによって、
健康が維持されているわけです。
体をアルカリ性に保つためには、水酸イオンをつくる物質を体液にとり入れることが大切です。
カルシウム、マグネシウムなどのミネラルはそのために働く重要な成分です。
逆に水素イオンが多いと体液は酸性が強くなり、病気の原因となります。
人間が健康であるには、常に弱アルカリ性を保っていることが大切です。
このアルカリ度のことをペーハーで表しています。
日常的に保つペーハー濃度は、七・二〜七・五程度。
血中のペーハーをコントロールする機能は、本来、備わっていますが、
大切なことは、必要なミネラルは日常の中で吸収しなければいけないということです。
病気を治すためには電気力の調整が重要だと、先に述べました。
この電気エネルギーも細胞内カリウムイオンが人体の活動電流となり、
生命活動をおこなってきたわけですから、ミネラルの調和が狂うと、脳電流、神経電流、筋電流、
に異常がおき、それが、体全体に派生していき免疫力、防衛力に狂いが生じます。
そして、健康な生活を維持できなくなる、ということになります。
ここでミネラル不足による病気をあげてみましょう。
最近話題の骨粗繋症がそうです。
骨粗繋症は全国で五〇〇万人といわれるほど患者がいて、さらに最近では増えているようです。
人体には二〇〇個の骨があります。その中でも一番大きな骨が大腿骨です。
立つために胴から上の体重をこの骨で支えているわけです。
そのために一番大きく強固につくられています。
これら硬い骨の中身が軽石のようにスカスカになって簡単に骨折しやすくなった骨の状態を骨粗鞍症といいます。
それがミネラル不足が原因と考えられます。
骨塩は三三歳がピーク
骨の成分はコラーゲンと呼ばれる黄白質です。
ここにカルシウムやリンなどの骨塩が沈着し、強くて硬い組織をつくつているわけです。
また、骨はカルシウムを貯蔵しています。それは必要に応じて引き出せるようになっているわけです。
つまり、カルシウムの倉庫のような役目ももっているのです。
そのために骨はいつも再生がおこなわれ、小骨の代謝が続けられています。
従って、大人になってもカルシウムの必要量は変わりません。
ミネラル不足の結果、最近では、カルシウムなどの骨塩が減少していて、
骨の中身は粗くなり、ダイコンに鞍(す)が入ったような軽石状となっています。
ですから、ちょっとしたことでも骨折したり、背中や腰に痛みを訴えたり、腰が曲がったりする人が多いのです。
骨塩の量は成長とともに増えますが、三三歳前後をピークとして、四〇歳を過ぎる頃からは減少し始めます。
老化が進むほどカルシウムは必要になりますから不足すると骨がどんどん弱くなってしまいます。
腎臓の働きが弱まると、小腸でカルシウムやリンを吸収します。
骨塩成分はさらに失われてしまいます。
骨租繋症は、男性よりも女性がなりやすい病気です。
それは、男性より骨の量が少ないのと、閉経を境にして、骨を再生するエストロゲンが激減してしまうためです。
このようにカルシウム不足は自分では気づかない間に進行しています。
自覚症状はないために早めに気づくことができないわけです。
ミネラル不足と病気
では、ここで、他のミネラル不足による病気を並べてみましょう。
●マグネシウム不足
マグネシウムが不足してくると、カルシウムが体内で吸収できなくなり、
前述のような病気を引きおこしてしまいます。
さらに、カリウムの細胞内保持が難しくなります。
つまり、カルシウムを体にいくら取り込んでも、体液の中に溶け込ますことができなくなり、
筋衰弱、手足の震え、心臓の不整脈、便秘、ブドウ糖不耐症、などの病気を引きおこすことになってしまいます。
●亜鉛不足
亜鉛が不足すると、血糖が増加し糖尿病をおこします。
また、体毛の成長が遅れ、脱毛症となり湿疹や皮膚異常がおこります。
また、性的な成長が遅れてしまい発育不全、生理不順、インポテンツの原因にもなります。
子供の場合、食欲不振、味覚異常、皮膚炎、下痢などがおきます。
●マンガン不足
骨や生殖機能に異常が生じ成長が遅れます。
また、中枢機能が低下してしまいます。
そして、血中脂肪酸が消滅し、動脈硬化症となり、脳梗塞、心筋梗塞の原因となってしまいます。
●セレニウム不足
セレニウム不足がおきると、ガンを発生させやすい体質になる、と近年注目を浴び始めました。
セレニウムの体内数値は正常者で三・七マイクログラムですが、
ガン患者は一六・二マイクログラムしかない、といわれています。
いずれも血液一〇〇ミリリットル中の濃度で、セレニウムの欠乏でガンが発生しやすい体質になってしまう、
というわけです。
●コバルト不足
コバルトの不足は、亜鉛性貧血の原因をつくります。
●モリブデン不足
血中尿酸増加によって痛風などの病気をおこします。
●鋼不足
酸素の活動を鈍らせ、代謝機能の障害となります。
攻撃的な性格になります。ちなみにピルを多用すると肝臓内の鋼が欠乏し、
血中のコレステロールを増加させ冠動脈疾患などが生じる原因にもなるので注意が必要です。
このようにミネラルは人体にとって欠くことのできない成分です。
っまり、健康維持の鍵を握っているわけです。
これだけ大切なミネラルが、最近の欧米式の食生活、
そして、減塩生活などによって不足することになってしまったのです。
もっと日本的食事をしよう
戦前、日本人の食事というのは、
海草のワカメ、昆布、ひじきや魚、野菜と漬物などといったものが中心の素朴なものでした。
しかし戦後になってからはそのような食事風景が消え、
食卓にはハンバーグ、フライドチキン、などの肉類が幅をきかせるようになりました。
また、ファーストフード、ステーキ、パン、コーヒー、ソース、ケチャップ、
ネーズ、砂糖、ミルク……など、西洋化したメニューがめじろおしです。
これではいくら食べても栄養のバランスはくずれてしまいます。
戦後四八年たち、
食料過剰時代になり食べ物が豊富になればなるほど栄養のバランスがくずれ始めてしまったわけです。
それは、自分の好きなものしか食べないようになってしまったからです。
偏食となり一番大切なミネラルが不足するような食事をとるようになってしまったということでしょう。
海にはミネラルが豊富にあります。
たいていのミネラルはこの海からとれます。
大地のミネラルが、雨水に溶け、川から海へと流れこんでいくため海にはミネラルがたっぶり含まれているわけです。海水は雨となり陸地に戻ります。この大自然の循環法則のなかに人間は生きています。
私たちも、もっとこの大自然の循環に従って食べ物を取捨選択する必要があります。
それには、高カロリー、高脂肪、砂糖などを日常の中から排除して、
土中から大量に溢れてくるミネラルを吸収した根菜類、海草類、魚類を充分にとることです。
そして、天然塩を充分に摂取することです。
天然塩を利用することで農薬などを取り除くこともできます。
大根、かぼちゃ、ネギ、ニラ、小かぶ、小松菜、ふきのとう、れんこん、ニンジン、ごぼう、さつまいも、
などを常食として、それに、ワカメ、ノリ、ひじき、白魚、ます、どじょう、鮎、イナゴ、さんま、
小えび、鯛、イワシ、はぜ、などを中心にすれば申し分ありません。
化学調味料は使わず、ミネラルを多く含んだ天然塩を使い、昆布や煮干しでだし汁をとります。
このように素朴な素材を使って、栄養と愛情のある料理をつくつてもらいたいものです。
命のふるさと、海 海から誕生した生命
波はときには荒々しく、怒涛のごとく押し寄せてきます。
しかし、時には鏡のように穏やかな水面を見せて、私たちの心をなごませてくれることもあります。
また、海水は海の中の生物ばかりでなく、陸の生物たちまでも守り育ててくれています。
それだけに、海はロマンの宝庫、ということもできるのでしょう。
では一体この海はどのようにして生まれたのでしょうか。
地球は四五億年ほど前に誕生しました。
そしてその後、宇宙空間の星間ガスとちりが、凝縮して地球内部からのガスによって、大気がつくられました。
その大気に含まれていた水蒸気が冷却して、凹地に水がたまりました。
その水たまりが海となったといわれています。
従って、海の探さもまちまちで浅いところは四〇〇メートル。
深いところは一万メートルもあるといわれています。
平均すると六〇〇〇メートルより深いところは、全海洋の一・二パーセントくらいだといわれます。
また、どのようにして海水が増加してきたのかについては、いろいろな説があります。
一説には地球誕生後、約五億年でほとんど形成された、といわれています。
また、海水はもっと長い年月をかけて徐々に増加したという説もあります。
ミネラルが豊富にあるということを考えると、後者の方が正しいような気もします。
海水に含まれる塩分濃度は約三・五パーセント。
塩化ナトリウム約七八パーセント。
塩化マグネシウム約九・六パーセント。
硫酸マグネシウム約六・一パーセント。
塩化カリウム約二・一パーセント。
硫酸カリウム四パーセント。
その他、微量ミネラル約九〇種類以上が含まれているといわれます。
この豊富なミネラルは、数億年もの年月を経てつくられ続けています。
陸地が雨水に洗われ、地殻が崩壊して土となり土壌中の重要なミネラルが、
川に流れその水が海へと入りこんでいくのです。
その結果、多量のミネラルが海水となって蓄積したのです。
海水がもつこれらのミネラルを始めとしたエネルギーは、自然の産物です。
っまり自然の産物である自然の塩をとることが、自然の法則にかなっている行為になるのです。
海の水は、浮遊生物、低生生物、遊泳生物を生息させています。
これらのことを考えてみても、生命に与える海水のエネルギーの強さを認識できるのではないでしょうか。
この海水のもつエネルギーを私たち人間も利用することで、生命体としての命を全うできるのだと思います。
人間は胎児のときには、母親の羊水の中で命を育みます。
羊水の成分は海水の成分とよく似ています。
前述したように海水の塩分濃度は三・五パーセント。
羊水の塩分濃度は、〇・九パーセントと少々塩分濃度に差はあっても、
人体の構成をみると生命の誕生は海からであったという証といえるでしょう。
その一つとして、細胞や、血液成分中に入っている無機塩類の種類や濃度と
海水の塩類の生成がよく似ていることがあげられます。
また、動物の血液と海水のミネラルの比率が酷似していることもあげられるでしょう。
人間だけではなく、昆虫類を始めとして、多くの卵の体液を調べると、
元素やその比率は海水と濃度が似ているのです。
このように生物のすべてが海水に似た体液をもっていることからも、海水、
そして塩のもつエネルギーは、生命維持になくてはならないものであり、
海こそ生命の故郷であり、塩のもつエネルギーは、生命の源である、といえるのです。
ミネラルと現代
食事を考えてみよう
ここでミネラルというものをもうすこし考えてみることにしましょう。
ミネラルはそれ自体、カロリーはもっていません。
従って、エネルギーの源にはならないのですが、
化学反応を促進して生命現象を支える酵素を助ける役割を果たします。
ミネラルが体内に入ると酵素に合いイオン化されます。
酵素はこのイオン化ミネラルの助けを得て本来の働きを全うするわけです。
食事というのは栄養をバランスよくとることが基本です。
しかし、私たちは日常食事をする時、どれだけミネラルのバランスを考えているでしょうか。
少々、疑問をもたざるを得ません。
先にも述べているように西洋式の食事がオーソドックスになってからというもの、
栄養面からみてもミネラル不足の食事が中心になってしまいました。
精神的なイライラはミネラル不足からおこるといわれます。
その代表的な話に、子供の精神が蝕まれ始めたということがあります。
たとえば、家庭内暴力や、校内暴力などの話が多くなったのは、
彼らの食事方法に間違いがあるのではないか、という報告もあります。
つまり、ミネラルが不足しているために心の落ちつきがなくなってしまった、というわけです。
校内暴力をおこしてみたり、家庭内暴力をおこす原因には親の甘やかしも原因のひとつかもしれません。
受験のプレッシャーなども要因になっているでしょう。
ミネラル研究所の細川さんは、
「家庭内暴力や、校内暴力などの問題をおこしている子供はたいていミネラルが不足している」
という意見を発表しました。
その中でもカルシウム不足は精神の安定を欠き、イライラの原因となり、
暴力事件に走ってしまうのだ、というわけです。ところがこの意見はまったく無視されています。
栄養学的にいうとその通りなのです。
現在の子供たちの食事をみると、常にミネラル不足の生活を強いられているように思えます。
喉が乾いたといえばコーラなどの清涼飲料水を飲み、
お腹がすいたときにはファーストフードでハンバーガーを食べるか、
スナック菓子を食べるという子供が急増しています。
加えて糖分を多くとるためにカルシウムは大量に消費されてしまいます。
消費されたカルシウムをそれ以上とるようにするといいのですが、
家庭で食べる食事のメニューは高蛋白質、高脂肪のものが多く、
ミネラルが充分に含まれたものとはいえません。
母親たちはそれが子供のためと思って食べさせていることに悲劇が重なります。
いまでは、いわゆる母親の味、
といわれるひじきや芋の煮ころがしというメニューをつくる若いお母さんは少ないでしょう。
それが、わが子の体を蝕んでいるとは露にも思わず、肉や卵料理をたっぶりと与えています。
ミネラルの中でもカルシウムは、精神を安定させるために大切な成分です。
骨の元にもなるし、歯の元にもなります。
これらをつくるためには、カリウム、マグネシウム、鉄などの成分を併用することが大切です。
また、カルシウムは疲労回復、病気治癒を助ける働きなどもあり、
人体には重要な栄養素です。その働きとしては、
・血液の酸性度を中和しアルカリ性にする
・酸素の働きを活発にする
・神経、精神の興奮を静める
・筋肉の収縮、弛緩、刺激をコントロールする
・止血の役目をもつ
などがあります。
ですから、もっと食事に注意をしてできるだけカルシウムをとるようにしなければなりません。
それには、天然塩をとるのが一番早道、ということになるわけです。
土は毒素で汚染されている
日本の土地はミネラルが世界各国に比較すると不足しているといわれます。
それはある意味では土地が痩せているからともいえるでしょう。
現代の忙しい土地活用と無関係ではないと思います。
ひとつの作物を同じ土地でつくり続けるということは、その土地の養分をどんどん消滅させることになります。
作物の根から分泌される物質に変化がおき、病害虫や病害菌が増、そます。
その結果、連作の障害がおきてきます。
以前はそのような障害を避けるために土地を休ませていました。
しかし、現代は作物を大量に生産する必要があるために、連作をするようになってしまったのです。
養分不足は化学肥料でまかない、連作による病原虫や菌の被害を抑えるために土壌消毒をおこないます。
土壌消毒のために使用する消毒剤は猛毒です。
なにしろ消毒剤を散布するときには、防毒マスクをしなければならないほどです。
そうすると土はまったく無菌状態になります。
しかし、今度はそれに対抗できるだけの力をつけた病原虫や菌が繁殖し始めます。
そうすると今までの薬では効果が出ず、仕方がないのでもっと強い毒性の消毒剤を散布することになります。
つまり、いくら消毒をおこなっても悲しいかな意味がなく、悪循環にすぎないのです。
土の栄養分はこうしてガタガタになってしまいます。
いまの日本ではこのようなことが平然とおこなわれているわけです。
薬づけの土で育った作物を私たちは日常食べています。
これらが、体の中に入っていくことを想像すると恐ろしい気がします。
本来、作物は土のミネラルを吸収し、自分の体に貯蓄します。
そのミネラルを私たちが食べていたわけです。
しかし、前述したようにいまや土の中にミネラルはほとんどありません。
一九五〇年の「日本食品成分表」によると、
ほうれん草に含まれているビタミンCの含有量は、一〇〇グラム中、一五〇ミリグラムありました。
それが、一九八二年には六三ミリグラムになっています。
鉄分は一〇〇グラム中一三ミリグラムだったのが、三・七ミリグラムにまで減少しているのです。
ニンジンの場合をみると、五〇年当時、鉄分は一〇〇グラム中二ミリグラムあったのが、
八二年には〇・八ミリグラム。大根の鉄分も一ミリグラムから〇・三ミリグラム。
つまり、現代に生きている私たちは、外見上は昔と同じ野菜でも成分としては
人体に大切なミネラルが極端に少なくなってしまった野菜しかとっていない、ということになるわけです。
病気は自分で治すのが基本
古代ギリシャ医学の祖といわれるヒポクラテスは、
「自分の病気を治すのは自分自身だ」と述べています。
それは、病気を治すのは自分がうまれながらもっている自然治癒力だという意味です。
しかし、自然治癒力も体が健康であるからこそ発揮できるのです。
体が健康であるためには、充分な栄養を体に与えなければいけません。
体に栄養を与えるためには、充分に栄養のある食物が必要になるわけです。
しかし、何度も述べているように現代の食料事情は決して人体にとっていい状態ではありません。
カルシウムを中心としたミネラルが不足しているからです。
どうしてこのようなことになってしまったのでしょうか?
それは、現代人が健康というものに対して真実の知識をもっていないからだと思います。
西洋的な知識を中心として考えるためにどんな病気に対しても薬を飲めばいいと思い込んでいるのです。
西洋医学は対症療法です。
なにか体に異常が起きてから、それを抑えることに重点を置いています。
それで解決できる病気もあるかもしれません。
しかし本当の健康というのは、それをいかにして維持していくかを考えることでしょう。
自分の体は自分が治す、というヒポクラテスの言葉は名言です。
それを実践していくためには、自分の体のことをもっとよく知っておく必要があります。
病気をしたら病院に行って薬をもらえばいい、という短絡的な考えはもう捨てなければなりません。
実際、病院にいったとしても病気が治らなかったり、薬漬けになってしまうケースが多いでしょう。
たとえば、内臓病になったとしても、悪い部分を摘出して臓器を取ってしまい、
それで治ったというのは、人体の成り立ちから考えると不自然なことです。
病気が治るということの本当の意味は、その原因を自然な形で取り除くということなのです。
単に痛みを取るのは、治癒ではありません。
たとえば、今あなたが痛みを抱えているとして、その痛みの原因は一体なにか、どぅして痛みがあるのか。
腰に痛みがあるとしたら、その腰の痛みはどうして発生したのか、などを考える必要があると思います。
そして、健康を維持していくためには、どんな食事をとったらいいのか、
どんな生活をしたらいいのか、を考えることも重要な予防医学です。
食事の基本はミネラルの豊富な食物をとることです。
ミネラル不足が体の調和を崩しいろいろな病気を発生させているということを、しっかり認識してください。
ガンに効果的なセレニウム
先にもちょっと触れましたが、セレニウムには制ガン作用があることがわかっています。
セレニウムが不足すると赤血球の中のグルタチオン、
ペルキナーゼという生体抵抗力をもつ大切な酵素をつくることができなくなり、
老化、ガン、心臓病などから防衛する力がなくなってしまいます。
セレニウムは土に含まれているミネラルです。
ですから、セレニウムをとるためには、土からセレニウムを吸収した農作物からとるか、
地下水に溶けたセレニウムを吸収している水性生物を食べてとるかしかありません。
セレニウムが多く含まれているのは、小麦胚芽、にしん、牡蠣、わかさぎ、りんご、
オレンジ、バター、レバー、ナッツ類、海草食品です。
制ガン効果をあげるためには、一日一五〇グラム〜一〇〇グラムが必要とされています。
また、ガンに効果のあるミネラルとしては、ゲルマニウムもあげられます。
世界的に有名なルルドの泉″などに湧いている水にもゲルマニウムが多く含まれています。
アロエやクロレラ、ハトムギなどにも多くのゲルマニウムが含まれています。
つまり、ガンに効果がある、といわれるものは、ミネラルの含有量が多いというわけです。
病人とミネラル 偏食は酸性体質になる
ミネラルは成人にとって重要な栄養素であると同時に子供にとっても成長のために大切な栄養素です。
成長期にミネラルが不足すると子供でも高血圧になったり、糖尿病、心臓病などのいわゆる成人病になります。
新聞や雑誌などで「成人病になる子供が急増」といった記事を目にした方も多いと思いますが、
実際にいまではそのような病気になる子供は珍しくありません。
病気にかからないまでも肥満を引きおこします。
子供のときから高カロリー、高脂肪のぜいたくな食べ物をとっていると全体のミネラルのバランスが崩れます。
そして、イライラしやすくなったり、集中力も低下します。
精神不安定になり協調性に欠けた子供になってしまいます。
ミネラルの中でもカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムが不足すると、
アチドーシスと呼ばれる体質になります。
酸性体質になるわけです。
高血圧を予防するためには、中年になってからでは遅すぎるのです。
子供のときから、食生活に注意をしておかないと、高血圧や心臓病を呼んでしまうのです。
人工母乳がアレルギー体質になる
また、最近の母親は子供が生まれても、自分の乳で育てようとしない女性が多いようです。
その理由は母乳で育てると胸の形が悪くなる、というような美容上の理由からです。
母乳には、母親がもつ抗体が含まれていて、病原菌を防御する作用があるのです。
人工哺乳にはそれがありません。
このため、人工哺乳で育った子供はアレルギーになりやすいのです。
乳離れをさせるときにもベビーフードを使うようですが、これも逆効果です。
離乳時、まだ赤ん坊の消化器は充分に発達してい一ません。
そんな状態のうちにいきなり蛋白質を与えることになります。
この蛋白質がアレルギーの元になるアレルゲンという物質をつくつてしまう可能性は充分あるのです。
最近、子供にアレルギー体質が多いのも、
このように間違った育て方をしていることも要因にあるのではないでしょうか。
病気になったときもミネラルが豊富に含まれた食事をとると回復が早まります。
ミネラルの一つ、ケイ素が老人のボケを治すという報告もあります。
また、病気になると胃にやさしい食事を、カロリーの計算をしながらとった方がいいというのが、
常識になっています。
しかし、それだけでは病気を退治することはできません。
やはり、ミネラルの含有量が多い食事をとることが重要なのです。
とくにマグネシウムが重要になります。
マグネシウムは、カルシウムやカリウムとともにミネラルのバランスをよくする働きをもっています。
糖分の代謝、脂肪分の代謝、また遺伝子の核酸の合成と分解に関わっているミネラルです。
つまり、ミネラルは人間の命を守っているわけです。
土からミネラルをとることがあまり期待できないのですから、
海の成分そのままである天然塩を利用することがいかに有効なことなのかわかってもらえると思います。
ストレスは酸性体質をつくる
最近、過労死が問題になっています。
その他にも現代病といわれる病気は数多くあります。
たとえば、脳溢血、心筋棟塞などです。
このような病気はストレスが原因になっていると考えられます。
ストレスがたまると、脳は酒を飲もうとさせたり、
美食で心の疲労や精神的な疲れを回復させようとさせます。
また、ストレスは消化液の分泌障害や血行障害をおこします。
そのために脳は酸素消費量を高めて体液の酸素化をおこします。
神経の末端でも酸素が欠乏してしまいます。
美食である高蛋白質、高カロリー食はガンの要因になるということから考えると、
ストレスは美食の原因になり、ガンの原因にもなると考えることができます。
高貴白質、高カロリー食はいま私たちの食生活を席巻し、
それに加えて化学調味料や恭加物などの不自然なものを多量に含んだレトルト食品やインスタント食品が
日常の中に入りこんでいます。
それらを子供たちが好んで食べ、食卓でも中心を占めています。
これらの食品はすべて植物繊維の乏しい食品ばかりです。
高貴白質、高カロリー食品が過剰になると、酸性体質になります。
これを中和するには、繊維質が多く含まれている海草類や、緑黄色野菜、小魚、などをとることです。
これらの食品に多く含まれているのは、ミネラルであり、ビタミンなのです。
ミネラル不足になると、胃腸内で消化吸収が悪くなります。
すると腸の中の糞便に栄養が残ったままになってしまいます。
それが腐敗すると有毒ガスと有機酸が発生し腸の中は強い酸性になってしまいます。
その結果、便秘になり、有毒なタンパクアミン酸ができ、
それが一部の栄養とともに体内に吸収されてしまいます。
そして、血液や体液は汚れ、血の流れに障害がおき動脈硬化の原因をつくります。
体内の器官への栄養と酸素の供給が不足するので、体液は酸化します。
酸素の欠乏が代謝機能を低下し、正常な細胞活動を妨げることになってしまうわけです。
それが、高じると、ガンになる可能性が高くなる、というわけです。
ガンを筆頭とした現代病にならないようにするためには、食事を変える必要があります。
つまりミネラルを豊富にとれる食生活をするということになります。
自分の体は自分で守るという自覚がないことには、いまの時代なかなか健康を維持できないでしょう。
人間の体にはホメオスターシスという力があります。
体がちょっと悪くなったときには、それを元に戻そうとする力です。
これを恒常性といいます。
この恒常性があるので高蛋白質、高カロリーの食事をとっているからといって
すぐにその弊害がでるというわけではありません。
しかし、確実に体は蝕まれていくのです。
ですから、それらに対抗するためにも、ミネラルは重要な要素になるというわけです。
よく臭いおならをする人がいます。
それは、腸の中で異常に腐敗した便が溜まっている証拠です。
このような状態が続くのは、ガンの前触れです。
腐ったガスが正常な消化機能を低下させるからです。
このような異常腐敗を防ぐためにもミネラルは有効です。
そしてバランスのとれた食事をとることも重要です。
体内にある免疫力をつけるためにもミネラルは重要な働きをしています。
ミネラルをとるようにすると、ホルモンの働きもスムースになります。
そして、回復能力がつきます。
どんな医者にかかったとしても回復力がないと病気はいつまで経ってもよくならないでしょう。
やはり、体を救うのは自分の自然治癒力なのです。
天然塩を多くとるようにして、
ミネラルを体内に吸収するようにすることがいかに重要かおわかりいただけると思います。
●疲れ目に(花粉症にも)
目の疲れを取るには、塩をつけた手でまぶたを軽くマッサ−ジする方法と
1カップのぬるま湯に小さじ4分の1の自然塩を溶かした塩水で十回ほどまばたきさせ、
そのあと真水で洗浄して塩を洗い流し、瞳を刺激する方法があります
塩水が眼球の周囲にある余分な水分を調整し、血液の流れを正常な状態に戻してくれるため、
花粉症に悩んでいる人にも効果的です。
●肩こり
肩こりには下半身の冷えが影響していることもあります。
冷えを我慢しているうちに肩に力が入り、こりが進むということも考えられますし、
下半身が冷えているために逆に余分な熱が肩にたまり、肩こりの原因になっている場合もあります。
こんな人には、入浴時に首から肩、腕にかけて自然塩を塗り、
痛みのある部分を重点的に首から徐々に下方向に向けての塩マッサ−ジをすると血行がよくなります。
●歯磨きに
歯槽膿漏の症状がある人は、歯ブラシを水に濡らして自然塩をつけ、三分ほどじっくり歯磨きをします。
塩の刺激で歯茎が引き締まり出血しなくなり、
細菌が繁殖しにくくなるので、虫歯の予防にもなります。
●神経痛・腰痛
神経痛やリュウマチは、冷えがおもな原因とされています。
湯船に入浴剤の代わりの自然塩を溶かした「塩湯」に暖まり、
湯船から出てとくに関節などの痛みの強い部分をマッサ-ジして体質を改善させます。
また、腰痛の原因は腰の酷使によるもののほか、内臓の病気が影響していることもありますので、
原因を確認することが第一ですが、
一般的には入浴時に腰部を十分温めたうえ
腰から太もも、ひざ、足首にかけて、上から下に押し下げるような感じでの塩マッサ−ジが効果的です。
●頭痛・抜け毛予防
頭痛の原因は人によっていろいろですが、
頭部(とくに頭皮)のたまった余分な水分が血液の流れを悪くしていると考えられます。
まず、湯船に入りほどよく汗を出し、普通に洗髪してひとつかみの自然塩を頭痛のひどい部分に重点的に
地肌にすり込むようにマッサ−ジするのがポイントです。
水に溶ける前の塩の結晶は固いので、手のひらと頭皮で塩を溶かすようにゆっくりすりこみ、
1〜2分ほどおき、お湯で洗い流します。塩マッサ−ジは、頭皮の新陳代謝を促し、
余分な脂を取り除き、抜け毛、フケなどを防ぐほか、脳の血液循環をよくし、ストレス解消の効果にもなります。
●皮膚病・アトピ−
塩には殺菌効果があり、皮膚の下にある余分な水分をはき出す働きがあります。
体内から水分が排出されると体液の調整や血液の循環がよくなり皮膚にたまった老廃物も排出され、
皮膚病の予防や治療になります。
アトピ−性皮膚炎の症状を軽減するには、身体の皮膚の表面をきれいにしてから、
コップ1杯のぬるま湯に小さじ1杯程度の自然塩を溶かし患部につけます。
刺激が強い場合は、少しお湯を足して調整します。
毎日行うことで、慣れてきた場合は、濃度を最終的には、約500CCのお湯に小さじ10杯まで高めれば十分です。そのうち患部の状態が落ち着いて着ましたら、自然塩を直接つけても大丈夫な程に回復します。
また、ニキビや膿まで出ているおでき、
じゅくじゅくした水虫には自然塩で直接患部を洗う方法や塩をフライパンなどで炒って、
布や紙の袋に入れ、暖まった状態のまま顔や患部にあてる方法もあります。
また、同時に塩の刺激でかゆみもとまります。
●洗顔
自然塩を手のひらに少量とり、水で軽く溶かします。ある程度塩が溶けたら、
もんだりこすったりしないように顔に軽くたたきながら塗りつけます。
20秒〜30秒ほどそのままにして、塩の成分を皮膚のなかに浸透させた後、
お湯で塩を流しとり、最後に冷水で洗います。
塩は、皮膚の脂や水分を抜き取り、その部分を引き締める機能を持ち、さらに、殺菌効果もあります。
●風邪の予防
自然塩を溶かした水、または、番茶に小さじ1杯の塩を溶かしてうがいをすると風邪の予防になります。
のどの粘膜にこびりついたバイ菌を塩が殺菌してくれますので、
塩分を含ませた脱脂綿などで鼻腔の部分も洗浄すれば、花粉症で、悩んでいる人にも効果的です。
また、風邪は体の冷えが原因となって生じる可能性が高いので、塩を使っての乾布摩擦や、
マッサ-ジを行うと、体を自然で良好な状態に保ってくれますので、風邪も未然に防ぐことができます。
風邪をひいた場合には、湯船に自然塩300gほど溶かした「塩湯」の半身入浴方で、
下半身の冷えを取り除くと同時に血液の循環を高める効果があります。
●下痢・腹痛・便秘
冷たいものや水分を必要以上に摂取すると、下痢のほか冷え性、女性の場合は生理痛の原因にもなります。
冷えやすい人は、体を温める働きがある食事をすることが、大切です。
下痢の症状を改善するためには、下腹部を中心に、背中から下半身にかけてマッサ-ジをして下さい。
また、塩をフライパンで炒って布や紙などに包んで下腹部にあてる「塩パック」が体温を上昇させますので、
下痢の腹痛や、下痢のもととなる寝冷えなどにも効果があります。
さらに、下腹部に加えて、手足の塩マッサ-ジや、朝起きたときの一杯の塩水を飲むと便秘も治せます。
下痢や便秘を繰り返すと、痔の原因にもなりますので、自然塩をぬるま湯に溶かし、
患部に2〜3分ほどつけ、お湯で洗い、最後に冷水で流しますと、
塩の殺菌効果で患部を清潔に保つ役割も果たしてくれますので、しもやけなどの血行障害も治すことができます。
●冷え性
身体全体の血行障害からくる冷え性は、血行をよくする、足浴で悩みを解決することができます。
バケツなどに40〜42度のお湯を用意して、ひとつまみの自然塩を入れ、お湯の温度を調整しながら、
上半身が少し汗ばむくらいまで、足だけを暖めます。塩湯の中で、足の指をマッサ-ジするとより効果があります。
●ダイエット
人間の体の60%以上は、水です。
ところが、太りすぎの人の場合、この水分バランスが崩れていることが往々にしてあります。
体の中の水分や老廃物が増えると、血液のめぐりも悪くなり、高血圧の原因にもなりかねません。
ダイエットは、この余分な水分や老廃物をいかに排出するかにかかっているとも言えます。
まず、自然塩を入れた湯船に入って体を温め、十分に汗を出します。
次に、健康タワシに自然塩をつけて、腹部を左回りに15回、右回りで15回こすります。
続いて、塩をガーゼにくるみ、そのガ-ゼで10分ほど、ていねいに全身をこすります。
今度はじかに塩を肩から胸、腰、足の付け根からひざ、
くるぶしへと上半身から下半身の順序でもみ込んでいきます。
とくに足の裏は体のツボが集中する場所なので、多めの塩でマッサージをして下さい。
排出された老廃物と塩を湯で流し、もう一度湯船に入り、十分体を温めたら、冷水を浴びて皮膚を引き締めます。
風呂と塩マッサージで大量の汗をかくと、のどが乾きますが、
体全体が乾いているところに新たな水分が入ってくると、体は必死でその水分を貯蔵しようとしますので、
風呂上りのビ-ルは、ダイエットには大敵です。
この場合、暖かいお茶などを少量飲んで乾きをいやすようにします。
塩マッサ-ジをしばらく続けていれば、体重を確実に落すことが出来ます。
同時に、塩もみの効果で体全体の肉も引き締まってきます。
●虫歯や歯槽膿漏の予防
少量の塩を指先にとり、とくに歯肉につけてマッサージするような気持ちでこすると、より効果的です。
塩歯磨きによって歯肉の中にたまった余分な水分や歯槽膿漏の原因となる菌を取り除くことが出来ます。