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「空腹」が人を健康にする  ナグモクリニック総院長 南雲著

●食べ過ぎこそ病気の始まり
●水を飲んでも太るワケ
●細胞を修復してくれる「サーチュイン遺伝子」
●寒いとなぜ体がガタガタふるえるのか
●メタボが寿命を縮める本当の理由
●「一日一食」でなぜ栄養不足にならないのか?
●食事の圭を減らすカンタンな方法
●空腹時にお茶やコーヒーを飲んではいけない
●ごはんを食べたら、すぐ寝よう
●若返りのための「ゴールデン・タイム」
●体の温め過ぎは「冷え性」のもと
●自分の「内なる声」にしたがって生きる
●あなたの人生、このまま終わってもいいですか?etc.
●「健康にいい塩」などない

プロローグ 空腹になると発動する連伝子がある!

空腹状態が人間の体にとって重要な働きをする、ということが近年明らかになってきました。
「空腹が体にいいって? そんなバカな!」
「そもそも腹がへった状態のままでいたら、体に悪いだろう?」
 ほとんどの方がそう思われることでしょう。
 しかし、私は医者の立場からも、自分の経験からも、その疑問に対してはつきりいえます。
「どんどん栄養を摂れば元気になれる、というのは古い考えである」。
いえ、それどころか、「空腹でお腹が鳴る七、体にいいことが細胞レベルでどんどん起きて、若返りの効果がある!」とまでいい切れるのです。
 私が今のような「一日一食」 のライフスタイルになったのは10年ほど前、45歳の頃からです。
それにはあるきっかけがあります。
 じっは30代のときに、ものすごい死の恐怖を味わったのです。
 その頃の私は、開業医の父もまだ現役だったので、大学で乳癌の研究や治療をしながら、
今思うとずいぶんのんびりと過ごしていました。
ところが35歳のとき、父が62歳にして心筋梗塞で倒れてしまったのです。
 どうにか一命はとりとめましたが、それ以降、医師としての仕事を続けることはできなくなつてしまい、
そのまま引退。私は大学での研究をやめて実家へ戻り、父の病院の跡を継ぐことになったのです。
 大学での気楽な研究生括とは違い、人を使わなくてはならないし、患者さんからの苦情も受けなくてはならない。
急にストレスいっぱいの毎日になってしまいました。
そうしたストレスからつい暴飲暴食に走ってしまい、みるみる体重が増加。
現在より15キロも多い77キロまで太ってしまいました。どんどん栄養を摂った結果です。
 すると、もともと頑固な便秘症もあったのですが、困ったことが起き始めました。
トイレでいきむと不整脈が出るのです。
「便秘と不整脈がどう関係するのか?」と思うでしょうが、じつは密接な関係があります。
便秘でいきむと頭に血が上ります。
すると頚動脈の庄センサーが働いて、血圧を下げるために心臓の動きを抑えてしまいます。
これを「バルサルバ洞反射」といいます。その結果、不整脈が頻繁に出るようになってしまったのです。
ひどいときには一日じゆう不整脈が止まらないこともありました。
 不整脈によって胸苦しくなり、血圧が下がってトイレで気を失いそうになったこともあります。
しかしもっと重大なのは、不整脈で心臓内の血液の流れが悪くなると、
そこに「血栓」という血のかたまりができます。
これが脳に飛んだら「脳塞栓」、肺に飛んだら「肺塞栓」になりトイレで人知れず命を落とすことになるのです。
毎日、トイレに入るのが本当に怖くなりました。
 これがきっかけとなり、いろいろな健康法を必死に試すようになりました。
一生懸命ジムにも通い、水泳やマシーン・エクササイズに励んだ時期もありました。
スポーツでやせようと思ったのです。
ところが皮肉にも、スポーツによって逆に食欲が増して体重がどんどん増えてしまいました。
ダイエットもつらくて、カロリー計算にもすぐにあきてしまって、なかなか続けられません。
 試行錯誤をする中で、肉食をやめて野菜中心の食生活に変えたところ、
あんなに頑固だった便秘があっという間に治ったのです。
 それでも肉が恋しくなるときはありました。ところが肉を食べた翌朝は、またあの頑固な便秘に逆戻り。
トイレで死ぬほど苦しい思いをするので、もう怖くなって二度と肉は食べられなくなりました。
 不思議なものです。タバコを吸っていた人がしばらく禁煙すると、タバコの臭いがすごく気になるようになります。それと同じでしばらく肉を食べないでいると、
たまに高級なステーキ肉を食べても「わら半紙」を噛んでいるような味気なさを感じて吐き出してしまうのです。
余談ですが、肉を食べなくなったら、なんと体臭がなくなりました。
肉食を好む人やメタボの人は皮脂の脂分が多いのですが、それが酸化して過酸化脂質になると独特の臭いを発します。「ノネナール」という、いわゆる「おやじ臭」です。それがほとんど消えたのです。
 さらに「一汁一葉」で食事の量を減らしたら、体重は一直線に下がってゆきました。
体調もどんどん良くなっていきました。
栄養面から見ても、質素に見える食事の中に含まれている「完全栄養」を摂取することで、
体が活性化することがわかりました。
 ただ毎食一汁一菜を用意するのは大変です。
朝や昼は食欲がないときも多く、逆に夜はつきあいで何品も食べなければならないこともあります。
どんなに良い習慣も無理をし過ぎると続かなくなります。
 そこでいろいろ工夫してたどりついたのが、現在の〓日一食」生活です。
以来10年あまり、健康状態はすこぶる良好、体重も62也を維持しています。
何よりも肌が若々しくなり、人間ドックで血管年齢が26歳といわれるようにまで若返ったのです。
 しかし、心のどこかでは「一日一食は本当に健康にいいのか?」
「人にすすめてもよいのか?」という疑問がつきまとっていました。
 それを払拭してくれたのが、近年発見された「延命(長寿)遺伝子」です。
あらゆる動物実験で、食事の量を4割減らしたほうが、1・5倍長生きすることが証明されたのです。
それだけではありません。
食事の量を減らしたほうが表情も生き生きとして毛並みも良く、外観が苦く美しくなることがわかったのです。
 若さや美しさというのは内面の健康のあらわれです。
内臓が生き生きと活動し、血流も良ければ、肌にもつやが出て、ウエストもくびれます。
逆にいえば、体の内面が健康でなければ、いくら高い化粧品を塗っても美容外科で治療しても、
本当の美しさは生まれてきません。
「見かけ」というのは、すごくわかりやすい健康の指標です。
ご自身が健康であると思っていても、それはただ単に「まだ大きな病気をしていない」
「検査数値が正常であった」というだけでしょう。自分の体型や肌が美しいと自慢できる方は少ないと思います。
「見かけ」がふけているのは、体が内臓脂肪型で、メタボ予備軍になっている証拠。
つまり、メタボをきちんと予防していかなければ、本当の健康も手に入らないし、
本当の外観の若々しさも出てこないということです。
肌が若々しくきれいでウエストがくびれていること。それが「一口二食」生活のめざすゴールなのです。
 延命遺伝子の発見をきっかけに、本格的に「一日一食」に取り組むようになりました。
講演やテレビ出演で話す機会も増え、アンチエイジングについての著作も増えました。
そして国際アンチエイジング医学会の名誉会長にもなったのです。
 その「一日一食」について初めて書き下ろしたのが、この本です。
 本書では、「一日一食」が健康のための必然的な方法であることの根拠と、
具体的な「一日一食生活のやり方」について詳しくお話ししていきます。
さらに「一日一食」によってみなさんの体が、とくに外観がどのように変化してゆくかが明らかになります。
 みなさんがこれまで健康に関して信じてきた「常識」が次々とくつがえされていくと思いますので、
どうぞ楽しみながら最後までお読みください。

●「健康にいい塩」などない ナグモクリニック総院長 南雲著
 最近は、にがり製法によるミネラル豊富をうたった天然塩も、いろいろな種類が出回っています。
天然塩は、塩化ナトリウムの合成塩よりも体にいいと誤解されている面もあるようですが、
塩分の摂り過ぎを助長しているようで非常に危険だと思います。
 たしかに天然塩にはミネラル分も含まれています。
けれど何もミネラルを塩から摂らなくてもいいでしょう。
塩からミネラルを摂ろうとすると、相当量が必要になってしまうからです。
 ミネネラル分はむしろ海藻や魚介類から摂ることをおすすめします。
たとえば、もずくやめかぶを、酢だけで昧つけして食べれば、
塩分量を抑えて、ミネラルをたっぷり摂ることができます。
天然塩からわざわざミネラルを摂取するよりも、はるかに健康にいいことは明らかです。
 ミネラル豊富をうたい文句にしている天然塩の中には、
岩塩のようになめてみるとあまりしょつぱくない、むしろ甘みを感じるような塩もあります。
それが、かえっておいしく感じ、しよつぱくないのだから体にもいいのではないかと誤解を招き、
肉の上に大粒の岩塩を喜んでふっているグルメな方もいます。
 塩なのに、なぜ甘みを感じるのでしょう。
 そもそも味というのは、味蕾(みらい)のセンサーに触れたときに感じるものなので、
岩塩のような大きな塩の結晶はカプセル状になっていて、それを口に入れてもすぐには舌先で溶けず、
しよつぱさを感知できないまま胃袋の中に入っていってしまいます。
それでついつい多めに使ってしまうことになります。              
 ですから本来は、岩塩などの大粒の塩はミルですり下ろして細かい粉末にして使いましょう
わずかの量でもしょつばさを感じることができて健康的なのです。
 辛党に好まれる漬け物や塩辛なども、保存が効くものは塩が大量に使われています。
発酵を止めるためには大量の塩が必要だからです。
 市販の塩辛には賞味期限が半年から一年先になっているものも珍しくありません。
それに比べて、寿司屋で出るような自家製の塩辛は甘塩で、二日目くらいがちょうどいい食べ頃になります。
同じ塩辛を食べるなら、塩分量が少ないほうを選んでください。
ぬか漬けなどの漬け物も、発酵を早く進めるためには塩分を少なめにするのがコツです。
 メタポリックシンドロームが、
カロリーやコレステロールの摂り過ぎに注意しなければならないことはよく知られていますが、
メタボの診断基準となっている血圧値と血糖値は、塩や砂糖の摂り過ぎが大きく関係しています。
この際、塩分の摂り過ぎについても、しつかりチェックしておきましょう。

お塩ちゃん 注釈 
>塩化ナトリウムの合成塩
化学的にいえば、食塩は塩素(cl)とナトリウム(Na)の化合物です。
しかし、世界中で利用されている食塩は、食用も工業用も、すべて天然の海水や岩塩が原料です。
化学合成した食塩などは利用されていません。そんな手間とコストの掛かることは誰もしません。
塩は食品添加物ではなく、れっきとした食品です。
砂糖や醤油や酢や食用油も食品です。砂糖は炭素・水素・酸素の化合物です。
食用油も炭素・水素・酸素の化合物です。肉のタンパク質は炭素・水素・酸素・窒素の化合物です。
ヒトの体も様々な元素の化合物で構成されています。
いずれも人工的に化学合成したものではありません。
岩塩について
C気取ったレストランの食卓にコショウと塩の二つのミルが置いてある
店があります。大粒の塩を岩塩に見立ててミルで轢く設定です。
コショウは引き立てが香りが逃げずおいしいのですが、塩は香りとほ無縁です。
単なるノスタルジア、時代錯誤、レトロ調です。
この塩で腹痛を起こす心配はありませんからとやかく言う筋合いではありませんが「私の店は塩については無知です」と言ってるのと同じです。
メニューに『鴨の岩塩包み焼き』などと書いてあることがありますから
注意してみてください、そのレストランのセンスと実力が分かります。
日本で一流と言われている料理人さんにも岩塩を礼賛している人が多いのですが、説明を聞いたらすぐ納得してくれる懐の広い人が多いのは嬉しいことです。
※お塩ちゃんの感想
どんなにお偉いお医者様の著者でも、お塩に関しての知識は、お塩ちゃんには、かないません。
科学がすべて」信仰が崩れ始めています。西洋医学が、だんだん、信用を失っていく過程には、「過信」がある。
どれを信じるかは個人の勝手ですが・・・・

●力ルシウムは「歩いて」補う
 骨を強くしようと思ったときに、いくらカルシウムを多量に摂ってもダメです。
宇宙船などで長期間過ごす飛行士たちは、カルシウムを普通の人の何倍も摂っているにもかかわらず、
地球に戻ってきたときには骨租紫症になっています。
重力の影響のもとで運動していないからです。
 そうなると、骨というのはどんどん弱くなっていってしまいます。
 もし骨を丈夫に⊥たいと思ったら、人一倍、歩くことをおすすめします。
重力によって骨に負荷をかける。そうすれば、骨の中のカルシウム量はどんどん増えていきます。
 もちろん、ひどい飢餓状態にあったり、または夏に水ばかり大量に飲んだりしていると、
ナトリウムと一緒に尿中にカルシウムが排出されて、カルシウム欠乏症になることはあります。
でも、それはきわめてまれな話。
 では、一般に年齢とともにカルシウムが減ってくる、といわれるのは、なぜでしょうか。
そもそも骨というものは、カルシウムを蓄えておく銀行のようなところ。
血液中のカルシウムが減ってくれば、骨の中からそれを補っていきます。
それがよほど病的な状態になれば、骨の中のカルシウムはどんどんそこから使われていくことになるわけです。
けれど、通常の食事を摂っている限りにおいては、骨の中のカルシウムも血液中のカルシウムも、
すべてイオンのバランスによって一定の備に保たれるようになっています。
 にもかかわらず、骨が非常にもろくなってしまっているとしたら、それは歩き足りないからでしょう。
高齢者がいくらカルシウムを摂っても骨がどんどんもろくなつていくのは、
年を重ねるにつれ、運動量が減ってくることによります。
 さらに、ホルモンの量が減っていくことも関係しています。
 というのも、女性ホルモンにせよ男性ホルモンにせよ、
性ホルモンには元来、骨を強くして筋肉をたくましくする「タンパク同化作用」があります。
男性ホルモンは80歳近くになっても、若い頃のホルモン量と遜色なく分泌されるものの、
女性ホルモンは、25歳噴から減少し始め、50歳頃に閉経を迎えるとまったく分泌されなくなります。
 もちろん性ホルモンがなければ体を維持することはできないので、代わりのホルモンを分泌するようになります。
それが「アンドロゲン」です。
アンドロゲンは副腎という腎臓の上にある小さな臓器から分泌される男性ホルモンで、
女性ホルモンの不足分を補うわけですが、量はそれほど多くない。
そのため、骨がカルシウムを維持できなくなってしまうのです。
 さらに年齢とともにだんだん歩かなくなる傾向がありますから、ますますカルシウムが欠乏し、
膝や腰の痛みが出てきます。痛ければますます歩かなくなり草椅子に乗るようなことになれば、
ますます骨は弱くなってしまうという悪循環に陥ってしまうわけです。
 かといってふだん歩かない人が急に山歩きなどすれば関節を痛めてしまいます。
日頃から歩く習慣が必要なのです。
 私の骨年齢は28歳と、実年齢よりも30歳近くも若いのですが、
これは子どもの頃から歩くのがとても好きだったことの賜物だと思っています。
高齢になってからの骨租軽症の度合いには、じつは小児期にどれくらい歩いていたかが、
非常に大きく影響します。子どもにはよく歩かせたほうがいいのです。
 間違っても、電車の中で子どもを真っ先に席に座らせたりすることのないようにしましょう。
子ども時代にどれだけ足腰を鍛えておくかによって、生涯の骨の丈夫さが決まるのです。

●体の温め過ぎは「冷え性」のもと
「サウナで汗を流すと脂肪が燃焼してやせる」という人がいますが、これは大嘘です。
 サウナでの汗は、ただ熱くなった体の表面温度を下げるためにかいているだけのこと。
体の中では何も燃焼していません。それで体重が減るとすれば、汗で水分を消失したからに過ぎません。
サウナのあとに水を飲んでしまえば、すぐにもとに戻ってしまいます。
 これまで繰り返し述べてきたことですが、内臓脂肪というのは発熱物質で、体温を上げるために燃焼します。
つまり、暑ければ暑いほど内臓脂肪は燃焼しないのです。
 そもそも飢えと寒さから身を守るためについたのが内臓脂肪なのですから、
飢えも寒さもない現在の日常生活の中では燃焼のしようがありません。
燃焼させたいの′であれば、サウナよりむしろ水風呂に入るべきなのです。
 では、「冷え症」の人が体を芯から温めるには、どうしたらいいのでしょう。
たとえば、頭からすっぽり防寒具をかぶるなりして、全身を真綿に包むようにすれば、
たしかに暑くなって体温は上昇し、汗はかくでしょう。
でも、それは体の中から熱くなっているのではなく、表面がどんどん熱くなっているだけのこと。
汗がどんどん出るのは、サウナと同じで体温を下げようとしているからです。
 そういう状態に長くおかれれば、体温をいつも下げようと体は変化していきます。
つまり、体を必要以上に温め過ぎると、むしろ冷え性になるのです。
 体の中から温めるには、飢えと寒さの状況に身をおくしかありません。
お腹をすかせ、寒くすればするほど、内戚脂肪はどんどん燃焼します。
そうすれば、体内の温度も上がっていきます。
 ですから、寒い冬になっても帽子やマフラーは必要ありません。
むしろ、寒さを感じるように、わざと首まわりをあけて冷たい風にさらすのです。
こうすると脳にある体温調節中枢が寒さを感知し、内臓脂肪を燃やすように指令を出します。
 ただしこの場合、末梢の血管は収縮して、体を温めるための血流を重要臓器に集めます。
とくに血が集まるのが脳で、ここが低温になって活動を停止したら、私たちは死んでしまいます。
次に内臓です。これも、心臓や肺が低温になって活動を停止してしまったら、私たちは生きていくことができません。
手足は凍傷になっても致命的な問題にはなりません。
そのため寒いときは手足の血のめぐりが悪くなるのです。
 そこで、頭を冷やすとき足は温めておきましよう。
これが、昔からいわれている「頭寒足熱」の原理なのです。

●体温を上げても免疫力はアップしない

 お風呂でよく温まって体温を上げると免疫力が上がる、という説がありますが、そんなことはありえません。
人間は恒温動物ですから、いつも深部体温を一定に保つように憧常性が働いているので、
いくら外から体を温めても体温は上がらないようにできています。
熱帯に住もうがどんなに温かいお風呂に入ろうが、深部体温そのものは変化しないのです。
 もし、体温を上げたければ、それは外側からでなく、体の中から上げることを考えるべきです。
そのために必要な条件が「空腹、寒さ、睡眠」の三点です。
 体温が変わるのは、この三つの条件を与えられたときだけです。
こうした恒常性によってこそ、私たちの生命は維持されているのです。
 汗をなるべくかいたほうが健康にいい、という説もあります。これも、あえてそうする必要はありません。
 たしかに、体温を下げなければならない環境で、汗をかけなければ体温調節ができないのですから大問題です。
しかし汗をかいてはいけない環境においては、たとえば極寒状態では、汗をかかない機能も大切です。
 いつでもどんな環境でも汗さえかいていれば健康などという考えは間違っています。
そんなことをすれば、水分と体温を無駄に消失してしまうだけのことです。
 毎年、夏になると熱中症が話題になりますが、
夏の暑い盛りに汗をかくと、まず塩分がどんどん汗となって流れていきます。
このとき、水や糖分の多いジュースのようなものばかり飲んで塩分を補わずにいると、
ナトリウム濃度が低下して手足や腹筋のけいれんが起こります。
これを「熱けいれん」といいます。
マラソン選手が夏のレースでよく足をけいれんさせていますよね。あれです。
 今でこそ、イオンバランスにすぐれたスポーツドリンクなどがありますが、
昔はそんなものはなく夏になるとやかんの水ばかり飲んでいた。
それで、体内のナトリウム量がどんどん下がってしまい、
熱けいれんを起こしたりするケースも珍しくありませんでした。
 そんな時代でも、溶鉱炉で働いていた人などは、水を飲んだら塩をなめるというようにし、
塩分をちゃんと補給していました。昔の人の知恵というのは、本当にすぐれていたと思います。
 さらに汗をかき続けて水分を補給しなければ、どんどん血液量が少なくなり、脱水や血圧低下を起こします。
そうして脳にいく血液が少なくなれば、脳がうまく働かなくなり、めまいや吐き気が起こる。
これが「熱疲労」です。
 熱けいれんや熱疲労の段階でも、通常の体温はまだ維持されています。
 最終的に脳内の温度が上昇し、体温調節中枢が壊れて昏睡状態になると、ようやく体温が40度に上がります。
そうなると血液中のタンパク質は溶けてしまい、溶血性の貧血になるわけです。
それによって血栓が運ばれて血管が詰まりやすくなり、栄養も酸素も運ばれなくなってしまうのです。
 つまり、臓器自体の深部体温が上昇するようなことになれば、
肝臓、心臓などの細胞自身も熟によって侵され、
それと同時に、血管が詰まって血液が各臓器に栄養を運ぶこともできなくなり、多臓器不全になってしまう。
これが重度の「熱射病」です。
 つまり、熱射病にならなければ深部体温は上昇しない。
熱い風呂に入ったぐらいでは内面から温まることはないのです。




塩は極力へらすべき (ページ73)

考古学の調査から、約5600年前に塩が採掘され、
ヨーロッパで取引が行われていたことがわかっています。
冷蔵庫が普及するまで、塩は肉やほかの食物を保存する
重要な役割を担っていました。
冷蔵庫が普及した現代では、塩は保存料としての重要性は薄れていますそれにもかかわらず、典型的な現代食では、
ナトリウムの摂取量はカリウムに比べて多すぎます。
ナトリウムの摂取量がカリウムに比べて2倍にもなっています。
これは、調味料として塩を使い過ぎることや、
加工食品に大量に塩が含まれていることが原因でしょう。
一方、カリウムは新鮮な野菜、フルーツに多く含まれています。
このようなカリウムを豊富に含む野菜やフルーツが、
カリウムをほとんど含まない植物油、精製糖、全粒粉の食品(穀物)
乳製品にとって代わられていることも
ナトリウムとカリウムのアンバランスの原因です。
 俗にいう塩は、「塩化ナトリウム」といいます。
これはナトリウム(Na)と、塩素(Cl=クロールイオン)が結合したものです。
このクロールイオンが酸性であり、人体には高血圧などの悪影響を及ぼします。
 ちなみに、日本の水道水は、世界でも有数の高濃度塩化物が含まれます。
その日本の中でも、とくに都会の水道水は塩素濃度が高く、私はそのカルキ臭に辟易します。
 体液のナトリウム濃度が高くなると、
濃度を薄めようとして水を取り込み体液の量がふえるので、血圧が上がります。
 一方のカリウムには、ナトリウムの腎臓での再吸収を抑制して尿中への排出量を増加させることにより、
血圧を降下させる働きがあります。
また、細胞膜にある酵素を活性化させ、末梢血管を拡張させることによって血圧を下げる働きもあります。
また、カリウムには塩の摂り過ぎによって起こる血液の酸性化を中和する働きがあります。
 このように、ナトリウムとカリウムは真逆の働きをします。
ナトリウムとカリウムのアンバランスは、高血圧だけでなく、
脳卒中(脳の血管が切れたり詰まったりする病気)、腎結石(腎臓にできる結晶の石)、
骨租しょう症、消化器系のガン、ぜんそく、不眠、乗り物酔い、高山病、
メニュール病(激しいめまいと難聴、耳鳴り、耳閉感の4症状が同時に重なる症状をくり返す内耳の病気)
などにも関係することが報告されています。
 このナトリウムとカリウムのバランスは、原始人食によって、
狩猟・採集時代に、つまり健康的な状態へと戻すことができるのです。

血液の話「塩と血液」自然医学会会長 森下敬一著

生命維持に不可欠な塩
 われわれが、日常摂取している塩は、日光、空気、水、土をどと同様に
生計活動の支えとして欠くことのできないものである。
食品の数は多いが塩気のはいらぬ食品はほとんどないといってもよいほど。
すなわち、それほど塩は、われわれの生理作用にとって重大を意義をもっているということだろう。
 塩が絶対不可欠のものであるのは、われわれの体が、塩類代謝の正常を進行のうえに、
はじめて生命活動をスムーズに営めるようにつくられているからだ。
 われわれの体液や血液に塩分が含まれているのは、原始生命が海から生まれ、
そしてそこで育まれてきたためだ。
細胞は、常に一定の塩分を含んだ水に浸されていなければ生きられない、
という宿命を背負っているのである。

すなわち、細胞が生命活動をおこをう際には、必要な浸透圧が一定に保たれていることが不可欠な条件で、
その適度な浸透圧を維持するために、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄鋼などと
ともに塩分(ナトリウム)が一定の濃度で含まれていをければならないのだ。
 たとえば、ナトリウムが異常に増加すると、そのナトリウムが体内に水分を引きつけるように働くので、
体内の水はだぶつき気味となる。反対に、ナトリウムが減少すると、水分の排泄は促される。
このように、ナトリウムの増減にともない、体の中の水分は増減する。
もちろん、このような水分の移動はナトリウムの作用だけによるものではない。
ナトリウムと桔抗的に働き、水分代謝に重要を役割をはたしているのはカリウムだ。
けっきょく、ナトリウムーカリウムのバランスがとれていることが、脱水や浮腫をおこさず、
正常に生理作用を進行させる条件となる。
そして、このほかの微量成分も、互いに微妙をバランスを保つことによって体液の性状を、
生命活動にとって好都合な状態にしているのである。
ミネラルを含む塩が必要
 「ナトリウムをはじめとしたすべてのミネラルは、新陳代謝作用にともない、体外に排出されていく。
したがって、適宜食物として補足しをければならない。その代表的を供給源の一つが食塩をのだ。」
 われわれの生理にとって望ましい自然塩は、海水を濃縮結晶させてつくる。
それはナトリウムと塩素が主体とをって、カルシウムやマグネシウム、カリウムをどの各種ミネラル
が抱き合わせにをったものだ。
 詳しく成分分析してみると、五十種以上の物質で成り立っているもので、
そのような自然の複合物質であるからこそ、われわれの生理機能に対して有効に働くのである。
 「食塩の必要量は一般にいわれているよりもかをり多いもので、
一日あたり約三〇グラム(日本人)〜一五グラム(外国人)である。」
 もし、塩分不足になると、食欲減退をはじめ、胃液が十分につくられなくなったり、
体の組織の調節機能が乱れ、炭酸ガスを肺に運び戻す働きがうまくいかなくなったり、
神経や筋肉の活動が正しくおこなわれなくなる。すなわち、体の生理機能が順調に進行しなくなるのだ。
食塩水(リンゲル液)を瀕死の病人に注射すると、活力が喚起されて、回復の転機となることもあるのは、
食塩が人間の生理の死命を刺する働きをもっている事実を物語っている。

 なお、最近、ミネラル欠乏塩による障害が激増してきている。
たとえば、現代の若者たちが、全般に身長は著しく伸びたのに、内臓や骨組みがひ弱で、
抵抗力の弱い体となっているのが、そのよい例だ。
そのほか、現代人の心身にあらわれている障害の多くは、極度に精製された塩の害によるものとみなしてよい。
その一つは、赤褐色の髪が多くなり、若白髪や若ハゲも増加していること。
このような頭髪の異変は、ミネラルを含まない精製塩の引きおこす異常の典型で、
血液及び体液中のミネラルの組成が混乱したため、体全体のミネラル代謝が狂い、
頭部皮膚の生理が異常となったもの。そして、そのミネラル代謝の失調は、頭髪の異常にとどまらず、
もっと深刻を障害を引きおこす。
すをわち、ガンをはじめ肥満、高血圧などの疾病の原因となり、頭脳活動も著しく阻害される。
塩の生理作用と役割
 では、食塩はわれわれの生理機能上どのようを役割をはたしているのかといえば、
一口でいうと、新陳代謝作用の主導権を握っているのである。
われわれの健庫障害は、いずれも新陳代謝の異常によって引きおこされる。
ガンさえも例外でなく、新陳代謝の異常が、血液の酸毒化をもたらすことによっておこることを考えても、
食塩の重要性は理解できるだろう。
 塩分は新陳代謝の正常化という作用を介して、血液を浄化し、血液本来の機能を強化する。
そのほか、唾液、尿、胆汁の中にも含まれ、各組織の活動を支えている。
特に胃液では、重要成分である塩酸を構成している
また、塩は、血管壁に沈着した鉱物質を排除し、血管の硬化を防ぐ。
同様に、腸壁に沈着している鉱物質を溶解し、腸の嬬動を高めるとともに、
消化液の分泌を助け、腸内の異常発酵を防止する。
そのため、食物の消化吸収を妨げる条件が除かれる一方、毒素の吸収が防止されるので、
消化吸収が速やかになるとともに血液が浄化される。
したがって、病人や虚弱者とくに胃腸の弱っている人は、
生理的な意味での良質(純粋の意味ではをい)の塩を不足しないように補給休することが重要である。

血中の蛋白質の一部は塩と結合することによって、
蛋白質がすぐに全身の組織細胞で活用されうる溶解状態でいながら、
腎臓膜でこされたり、他の組織において漏れこぼれたりしない状態に保たれる。
このことから、極端に塩分を制限した食生活をおこなっていると、著しい体の衰弱を招くけれど、
その際は塩分の欠乏が、体蛋白の減少を招くことも重要な要素となっていると考えられる。
 「食塩は、粘膜や皮膚を刺激して、粘膜の分泌を促したり、その部分への血行を増大させたりする。
そのために、適度な塩気を含んだ食品が、唾液や胃液の分泌を盛んにし、食欲をそそるのである。
反対に、塩分を含まぬ食品は消化がおそく、胃中に停滞しがちで、消化不良の原因となりやすい。」
 また、食塩には強い殺菌力、防腐力もある。
傷口に食塩をぬることにより、化膿が防げるし、特殊を例では、食塩の投与で、
ひどい急性肺炎を一夜で解熱させたり、どんな治療も効果のなかったアメーバー赤痢を
治したりした例がたくさん報告されている。
人間は半ば腐敗したようなものでも食べて平気でいられるのは、一つには塩の殺菌作用のおかげだ。
塩は、少しぐらい有害を物質や細菌が発生・侵入しても、それらの害作用が組織細胞に及ばぬよう、
防衛してくれているのである。われわれの体にはくまなく塩分がゆきわたっている。
いわば、適度な塩漬け状態にあるといえる。
適量とることが重要
 以上のようをさまぎまの有効を作用が得られるのは、食塩を適量に用いた場合であり、
いかに生理作用に不可欠を食品とはいえ、とりすぎれば害となる。
害作用を生み出す原因として、まず刺激性の強いことがあげられる。
この刺激性が薬として秦勅する場合もあるわけだけれど、味覚を麻痺して塩味に鈍感にさせやすい。
そうなると、塩を多食がちにをり、老化の有力な原因となる動脈硬化を引きおこす。
これは、特に塩に含まれる非生理的爽雑物が、物質を収縮硬化させる性質をもったためだ。
この性質は弛暖した組織を引きしめるためには有効だが、過剰になると、
血管の柔軟性をそこねてしまう。
しかし、塩を多食しても、速やかに排出してしまえば、比較的害は少ない。
運動、発汗、呼吸、入浴などは塩分の排泄を促す条件であるので、
体をよく動かし、汗を流す機会の多い人は、食塩を多くとってもよいわけだ。
ただし、汗をかいた折に水や清涼飲料水をガブ飲みして、
かえって塩分不足による害を招くことが多いので注意が必要。
このことからもわかるように、塩分の必要量は、生活条件によって大きく変わるので、
一概に一日何グラムと定めることはできない

 いずれにしても、塩は生理の自然からいってそれほど多量にとれるものではないのに、
実際には、塩害による障害をおこしている人もいる。
このようを場合には、塩分の摂り方を工夫する必要がある。食塩そのものとしてではをく、
極力みそやしょぅゆをどをとるとよい。
これらに含まれる塩分はカドがとれて刺激性はうんと弱められている。
 逆に脱塩状態にある人も、みそやしょぅゆを積極的に摂って塩分補給をはかることが重要だ。
脱塩状態におちいるのは、白米、野菜を中心にした誤った菜食をおこをっている陰性体質者に多い。
つまり、塩分過剰の害を恐れるあまり、塩分の摂取を必要以上に抑える習慣がついてしまっているのである。
だが、一定の塩分をとることは、血液性状を正し、細胞の質をしっかりさせ、
体力を強化するために不可欠であることを知らねばならない。
質の良い塩をとる
 食塩に含まれるナトリウムと塩素以外の物質を総称して爽雑物、俗にニガリと呼んでいる。
純粋な塩化ナトリウムは純鍼味だが、ニガリの含まれるおかげで、
食品として塩特有の風味が生じ、われわれの生理作用にも有効な働きをする。
 「が、ニガリの含有量の多過ぎる食塩は有害であり、いろいろを障害を引きおこす。
その最も特徴的をものは、腎臓病。」そして、組織全体が荒らされる。
その結果、早熟・早老の運命をたどることにをろう。
粗悪な食塩は、物質を過度に硬化緊縮させる性質をもち、
食物中の蛋白質と固く結合して消化、吸収を妨げるとともに、
胃や腸の内壁に作用して粘膜組織を損傷し、腎臓機能を滅弱させ、頭の働きを悪くする。
ニガリの含有量を適正にし、生理作用に対する有害性を最小限に抑えた食塩を
使用しをければならないゆえんである。
結局、良質の食塩とは、二ガリの害がなく、各種ミネラルをほどよく含んだ塩化ナトリウムといれる。
「以上のように、ニガリの含有量の多過ぎる食塩が有害なら、極端に精製したものも有害である。」
白米や白砂糖をみてもわかるように、白くすることで天然の食品に含まれる有効成分はほとんど失われてしまう。
食塩の場合も同様で、ほとんど塩化ナトリウムだけにをったものは、もはや食品とは呼べない。
このような精製塩は、細胞を必要以上に興奮させ、生理作用を根底からゆさぶる。
現在一般に売られている食塩は、塩化ナトリウム九九・九パーセントと極度に精製され、
ほとんど化学物質と化している。
そのような塩がつくられるのは、
それが近代化学工業の基礎物質として必要欠くべからざるものになっているためだけれど、
それを食品としても使わされるのではたまらない。
最近、食塩による健康阻害が大きな問題となってきたのも当然のことだ。
 こんを時代であるからこそ、食品としての塩、すをわち自然塩を確保することを真剣に考えをければをらない。
食塩の質の良否は、体質の良否と深くかかわっており、したがって、健康、寿命を支配するものだからである。