[3]京都大学大学院教授‥家森幸男先生は減塩論陣の第一人者として
『食塩を控 えれば健康に長生き出来る』と説き回っておられます。
一九九六〜九七年にT V、新聞その他のマスコミに度々登場しておられて、
その肩書で大きい影響力 がある人ですが、
「アフリカのマサイ族は多量のミルクを飲んで塩は使わない、
中国・広州の人達は肉は内臓も丸ごと利用していた
(一九九七年四月一日(火)読売新聞四国版「世界の長寿食14」)。
TVでも、アフリカの未開地の住民が一日二〜三gだから
我々文明人も塩は一日二gまで減らしても大丈夫、やって行ける」と言っておられましたが、
ミルクには塩分はないのでしょうか。
哺乳動物の分泌液には必ず塩分があると思うのですが。
牛乳関係の資料によれば、ミルクには人間の三倍のミネラル(塩分)があります。
人類は動物の肉や内臓から塩分をとった歴史があります。気候風土の違いは無視してもよいのでしょうか。
未開地はそこに住む人達の生活様式では知能が発達しなかったから
未開地のままで留っているのでほないですか?
未開地の生活様式を取り入れて知能の発達にブレーキをかけますか?
未開地の人達は長命ですか? 長命と文明とは両立していないようですが。
一九九七年三月一日(水)読売新聞「世界の長寿食12」での家森先生の報告には、
沖縄の人の塩分摂取量は一日八gで日本の最低である。
尿中の塩分濃度を測ったとは書いてありますが汗については記述がありません。
松崎俊久教授と同じく汗の塩分や豚肉に含まれる塩分は無視して良いのでしょうか。
沖縄・豚肉の塩分⇒汗。東北・漬物の塩分⇒尿に出るのではないでしょうか。
家森先生のご家庭では当然二gを実行なさっておられることでしょうが、
奥さんは二gにするのにどのような献立をしておられるのでしょうか。
デパートやスーパーの出来合いの総菜を一皿食べるだけで二gは完全にオーバーするでしょう。
外食は勿論、家庭でも鮎、鮭、サンマ、鯖などの塩焼き、鯛の浜焼きなど、
おいしいものは何も食べてはいけないことになります。
そんな無味乾燥な生活をなさっているのでしょうか?
「わが家は二gでこのように元気で働いております」と
メニューを世間に発表してあげれば国民への福音であり一躍ベストセラーでしょう。
人助けのためにぜひ発表してあげて下さい、指導者として実践し発表する責任がありましょう。
プライバシーの問題があるなら一カ月ぐらいの模範献立を発表してください。
美食とは無関係な生活になりますね。
一回でも外食したら、その日は塩気のあるものを何も食べてはいけないことになります。
野菜を生のまま湯がくなど塩気なしで加熱しただけでおいしく食べられるものがありましょうか?
そんなこと出来ますか? なさっていますか?
敗戦直後の食糧難時代に闇米を潔しとせず配給米だけで生活し、
昭和二二年一〇月に餓死された岡山の山口判事と同じことを塩であなたや家族にできますか?
皆さんはニューギニアやアフリカの奥地のような電気も自動車もTVもない生活がしたいですか?
「長寿食と言う青い鳥は日本食であった」(一九九七年六月二日(月)読売新聞四国版)と
言われるなら、日本食は、「米塩の資」と言うぐらい塩が重要です。
塩の質のことへの言及も欠落しています。
戦前の身長五尺(一・五m)・寿命五〇年から
戦後の六尺(一・八m)・八〇年の長寿社会は減塩の成果ではなく、ニガリの害が少ない塩を食べたからです。
[4]老若男女をグループ別にして一年間ぐらい
@一切の加工食品なし、野菜、果物、穀類、肉類の素材だけでの塩なし、
A二g/日、B五g/日、C一〇g/日の生活実験をしてみた結果を報告して下さい。
家森先生のご家族にはAのグループに入っていただきましょう。