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お塩の勉強部屋 情報室 ナトリウムポンプ機能

♪身体のしくみと塩  ♪各器官の働きと塩
ナトリウムポンプ
飢饉と塩  ナトリウムとカリウムのバランス
カリウム塩(塩でない塩・カリウムは恐ろしい)
塩不足は身体に悪い  ♪高血圧と塩の本当の話
●人体は磁気体である   ●三焦が電子エネルギーをつかさどる
●病気の根本原因は生体磁気異常
●塩マッサージでひじ・ひざ・かかとがなめらかに    ●頭皮のマッサージで毛髪もつややかに 
●塩で洗顔、肌がつるつるに    ●アトピー性皮膚炎に海水療法    ●足浴で足の疲れを解消
●塩洗浄で花粉症も撃退  ●塩水で目も洗浄

人は塩なしでは生きられない  ●身体のしくみと塩

人間の赤ちゃんは、母体の中で羊水に包まれています。
この羊水が赤ちゃんを守り、赤ちゃんに必要な栄養を与えています。
その羊水と海水の成分がよく似ているのをご存じでしょうか。
羊水だけでなく、人間の血液や体液の成分とも海水の成分は似ています。
羊水の内容成分は
ナトリウム・カリウム・カルシウム・塩素など、海水の成分も同様です。
このことから、海が人間を作り出したふるさとであり、
地球上のすべての生物のふるさとであることのつながりを感じ取れるでしょう。
ちなみに海水と羊水の成分を村比しておきましょう。
水分(海水=96・5%、羊水=約98%)、
固形成分(海水=3・5%、羊水=約2%)、
で塩素(海水=19.000㎎/ℓ・羊水=約3、700㎎/ℓ)、
ナトリウム(海水=10、500㎎/ℓ・羊水3、000㎎/ℓ)、
マグネシウム(海水=1、300㎎/ℓ・羊水20㎎/ℓ)、
カリウム(海水=300㎎/ℓ・羊水=150㎎/ℓ)となっています。
すべての生物が、海から誕生したことを考えれば、
人の体液成分や母体の羊水成分が海水成分と似ていても、
そう不思議な感じはありません。
しかし、鳥類であっても、哺乳類であっても、
その発生当初(卵の中や母胎の中の胎児)の形は、
ほとんど区別がつかないほどよく似ていることである。
つまり、卵子と精子が出会って新しい生命が誕生する過程はそのまま、
その種が進化してきた過程を辿るのであれば、
発生当初の姿がよく似ているのもうなづけよう。
要するに、海を母としているかぎり、その原始生命体の、が姿に、
そう大きな違いはないと言うことである。
言葉を換えれば、すべての生命体は海に帰ると言うことになろう。
この海水に含まれている塩、
つまりナトリウムと塩素は、太陽・大気・水とならんで、
生命活動に必要不可欠なもので、塩がなければ人は生きていくことができません。
なぜ塩がそんなに大切なものなのか、身体のしくみから考えてみましょう。
動物の身体は、一つひとつの細胞がいくつもいくつも集まってできていることは
誰でも知っています。
内臓も筋肉も骨も皮膚も、すべて細胞によって作られていて、
その細胞の一つひとつは、
生物が生命を維持していくために必要なものを含んでいます。
つまり、細胞の一つひとつが正常な働きをしなくなると、
それぞれの組織はその機能を果たせなくなります。
細胞は、血液や体液から必要な物質を内部に取り込み、
不必要な物質は外部へと排泄して機能の維持を保ち、
細胞自らの生命を維持すると同時に、生物の身体全体をも作り上げているわけです。
そして、細胞が正常な働きをするために必要なのが(浸透圧)です。
浸透圧とは細胞と体液のあいだの圧力のことで、
生命活動を維持するために保たれるべき浸透圧が決まっています。
この浸透圧が保たれないと、細胞は正常な形状を維持していられなくなり、
つぶれたり、膨張したりして被壊されることになります。
つまり、人の生命を維持していくことができなくなるということです。
一つひとつの細胞が、一定の浸透圧を保ち、
正常な形状を保持したうえで機能して初めて、人は生命を維持できるのです。
じつは、細胞を守っているこの浸透圧の維持に不可欠な成分が塩分なのです。
体内に入った塩は、必要な量を残して、あとは体外へと排泄されます。
あとで詳しく述べますが、塩は体内で代謝されることによって、
人の身体を作っている細胞の一つひとつを常に一定の浸透圧に保っているのです。
また各細胞の浸透圧を維持するためには、
一定量の塩分とカリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄・銅などが必要です。
つまり、羊水に含まれる成分です。
これらの成分が一定の比率で体内に残存していることも、
浸透圧を維持するうえで重要なことなのです。
しかし、これらの成分は、身体の新陳代謝にともない体外へと排泄されます。
ですから、常に補充が必要となってくるわけです。

●各器官の働きと塩

海水はしょっばく、また人が流す涙もしょつぱいもの。
もちろん、どちらも塩分が含まれているからです。
人の体重の約70%は水分ですが、そのうちの3分の1が細胞外体液、
つまり血液や胃液です。
塩はこの細胞外体液のなかに0・9%の割合で溶け込んでいます。
例えば50kgの体重の人の場合、35kgが水分で、約11.6kgが細胞外体液となり、
塩分は約104g含まれていることになります。104gは、かなりの量です。
しかし事実、それだけ量の塩が人の体内に存在しているのが普通ですから、
当然、不足すれば身体の諸器官に支障をきたします。
また前述のとおり、細胞の浸透圧を保つためには
カリウムなどのミネラルを必要とします。
ですが、羊水と同様の成分を含有する海水は、
これら必要なミネラル成分をほとんど含んでいますので、
海水を濃縮した塩を補充していれば、
細胞に必要なミネラル成分を補充することができます。
加えて、塩は塩素とナトリウムのイオンの働きによって、
身体に必要なものを体内に残し、不必要なものを体外へと排泄しています。
つまり、身体の新陳代謝を正常に働かせて、
血液をはじめとする体液すべてを浄化しているのです。
血液や体液が浄化されるということは、
身体のそれぞれの器官をも浄化することになり、
身体全体の機能を正常に保つ役割を果たしているのです。
血液について言えば、
血管壁に付着した鉱物質を排除することで血管の硬化を防ぎます。
塩がもつイオンの力が、血管に付着した鉱物質を排除するからです。
血管だけでなく、腸の中でも同様の働きをします。
腸壁に付着している鉱物質を、塩のイオンが溶解して、腸の蝶動運動を高め、
消化液の分泌も高めます。
その他・唾液・胆汁・尿などにも塩分は含まれ、それぞれの役割を担っています。
特に胃液では、塩酸を構成しているため塩素が必要不可欠な成分ですから、
体内の塩分濃度によって胃液の働きが左右されることにもなりかねません。
さらに、塩は強力な殺菌効果をもっています。
傷口に塩を塗ると化膿を防ぐことができますし、
食品であれば腐敗を防ぐことができます。
塩漬けにしたものが、保存食として用いられるのもそのためです。
人間の身体は塩漬けにすることはできませんが、殺菌効果は大いに活用できます。
また、筋肉の収縮・弛緩に塩が欠かせない物質であることです。
筋肉は、脳や脊髄からの指令により収縮・弛緩しますが、
この収縮したり弛緩したりする動作は、実は塩によって起きているのです。
これには、あとで記述する塩の中のナトリウムイオンが大きく関わっています。
このように人の身体で、塩は重要な働きを担っています。
ですから、もし人の身体から塩がなくなつたら大変なことになります。
まず、不必要なものを体外へ出すという代謝が行われなくなります。
そして、細胞と体液の浸透圧が乱れ、筋力は弱まります。
心臓をはじめとするすべての臓器は筋肉によって動いていますので、
筋力が弱まれば当然に臓器の働きも弱まり、健康が著しく疎外され、
ほとんど人としての普通の生活はほとんど不可能になってしまいます。

健康を縫持するための塩の役割 ナトリウムポンプ

身体を動かす力の源=ナトリウムポンプ
人の身体を動かしているのはご存じのとおり筋肉です。
脳の指令が脊髄を通り筋肉に達し、動かすべき部位の筋肉が収縮・弛緩して、
腕なり足なりが動きます。これは、誰もが知つていること。
しかし、指令を受けて筋肉を実際に動かしているものはなんなのでしょうか。
その一つが、塩分に含まれるナトリウムなのです。
脳から筋肉ヘと指令が達すると、ナトリウムが筋肉の細胞に
取り込まれたり押し出されたりします。
つまり、筋肉の収縮・弛緩はナトリウムが細胞内に出入りすることによって
起きるわけです。これを『ナトリウムポンプ』と言います。
ナトリウムポンプはもちろん、体内に摂り入れられるナトリウムによって機能するもの
すなわち、塩分を摂取しなければ機能しないと言ってよいでしょう。
ですから、塩分の摂取が極端に少なくなると、
ナトリウムポンプは正常に働くことができません。
心臓をはじめとするあらゆる内臓は筋肉でできていて、筋肉によって動いています。
もちろん、ものを食べるためにロを動かすのも、
また食べたものを消化するために胃や腸を動かすのも筋肉です。
人が生きていくために必要なことは、すべてこの筋肉によつて営まれているのです。
ですから、筋肉を動かすナトリウムポンプは、
人が生きていくために欠かせない機能と言えるでしょう。
ナトリウムポンプは筋肉だけではなく、
皮膚やその他の器官などの細胞にもありますので、
ナトリウムポンプの衰えは、そのまま肌などの老化にもつながります。
身体や肌を常に生き生きと保つには、適度なナトリウム、
つまり塩分を補給しておくことが大切だと言えます。むやみな減塩も考えものなのです

ナトリウムとカリウムのバランス

最近、欧米でも日本食が「健康によい」と言われるようになり、
日本食レストランが増えているようです。箸を使える欧米人も珍しくはありません。
その一方、日本では食の欧米化が進んでいます。
日本での食の欧米化は、脂質の取りすぎや生活習慣病の原因などとされ、
問題視されることが多いようです。
確かに欧米食は肉類が中心となり、野菜が不足しがちになります。
しかも、日本人は欧米人よりも腸が長いため、
野菜を必要とする体質と言ってよいでしょう。
ビタミンやミネラルを補給するために、野菜はバランスよく、
そしてたくさん食べる必要がありますが、
野菜を食べればビタミン類と同時にカリウムも多く摂取していることになります。
そこで、気をつけたいのがナトリウムとカリウムのバランスです。
人の体内では、ナトリウムとカリウムのバランスも一定に保つ必要があります。
しかし野菜には、カリウムが多く含まれています。
ですから、野菜を多く摂つた場合には、
それに見合う分のナトリウムが必要であるということを忘れてはいけません。
そのバランスを整えるために、草食動物はかなりの量の塩を必要とし、
例えば、馬でl日30~40g、牛は80g、カバはなんと500gの摂取が必要だと
言われています。もちろん、動物ばりでなく人間も同じですから、
野菜を食べた量にバランスする塩分が必要になります。
特に日本人の場合は、食習慣の面でも植物性の食物が主ですから、
摂取カリウムは比較的多くなります。
江戸時代に多発した飢饉で、何人も死人が出たのは、
食べるものがなかったということだけではないと言われています。
飢餓ゆえに野性の草や根をむさぼり食ぺたため、
カリウム遇多を引き起こしたのも原因の一つとされているのです。
塩はもちろん、穀物すら摂ることができないところへ、
カリウムを多く含むものばかりを摂取すると、急速に体内のカリウム分が増加し、
死に至る状況になることも考えられないわけではありません。
ですから、菜食主義の人は要注意。野菜中心の食生活で
ビタミンは豊富に摂取できても、塩分の補給を怠ると大変なことになつてしまいます。ナトリウムとカリウムのバランスには、常に注意しておく必要があるでしょう。
例えば、「こむらがえり」などは、いわば身体が発している警告ですから、
寝ているだけでこむらがえりを起こしてしまう人は、塩分が不足していないか、
食生活を見直す必要があるかもしれません。

飢饉と塩

江戸時代には、各地でたくさんの飢饉がありました。
飢饉のときに死ぬ人が出るのは、食ベる物がないためぱかりではありませんでした。
何日も穀物をとらず、また塩をとらずにいるところに、
山や野原の草や根をむさぼり食ベるために、
カリウム過多の中毒になってしまうことが少なくなかったとされています。
飢饉の体験から生まれた飢饉対策の書物には、
塩さえ絶やさなけれぱ草や葉ばかり食ベても死ぬことばないようだ、と記されています
塩は、草ぱかり食ベるときの毒消しになるということで、
山野を歩き回って苦行を積む僧侶修験者たちも竹筒に塩を入れていつも
持つていたそうです。
スイカに塩を振つて食ベると甘味が増し美味しくなりますが、
スイカがまだ珍しいころは毒消しのために塩が使われていたともいわれています。


 カリウム(K)は心臓を止めて安楽死させる筋肉弛緩剤です。
青酸カリも同じ線上にあります。
カリウム塩を食べることは三途の川へ近づくことになりましょう。
「金魚の水槽には入れないでください」と注意書きがあるぐらいです。
カリウム塩は「食塩」とは呼べないものです。全く売れていません。
おいしくないからいくら頭で言い聞かせても一度使えば懲ります。
ご主人の健康を考えて買って来た奥さんが叱られます。
 カリウムほ植物の肥料の三要素で、チッソ・燐酸・カリというぐらいで、
果物・野菜類など植物はカリウムの塊、
植物が吸って育ったカリウムなどの栄養素を動物や人間が食べる、
その草を食べさせて肥った家畜を人間が食べるのが本筋です。
植物は動かない、動く必要がないからナトリウムは要りません。
菜食が多い日本人はカリウムはとりすぎるぐらい食べています。
江戸時代、飢饉で死んだのは、
塩なしでそこらの野草・草根を手当たり次第に食べたのでそのカリウム、
マグネシウム過多中毒で死んだ、
食糧不足よりは草の毒を消す塩不足で死んだ方が多いと言われています。
塩のナトリウムを減らしてカリウムに置き換えても、
体はちゃんと必要なだけのナトリウムほどこかで取り込もうとするものです、
取り込めないときほ何等かのとがめが出るでしょう。
 二七年も前のことですが、
私の知人にも昆布をベースにしたカリウムたっぷりの『藻塩』を
「食べれば食べるほどよい」と教わり信じて、
いつも藻塩を持ち歩いていてがばがば食べていました。
はた目にも「あんなに食べて大丈夫かな?」と
心配が頭をかすめたことがありましたが、
私も西本友康氏に師事し始めた頃でしたから何も言えませんでした。
ある朝起きて釆ないので奥さんが起こしに行ったら
『冷たくなって(死んで)いた』とのことです。
今にして思えば、藻塩にあるカリウムの過多での心臓停止でしょう。
カリウムのとりすぎほ喉も渇かないし、
心臓が止まるはど食べても限界が分からないのです。

●人体は磁気体である

 では、気(エネルギー) とはいったいなんなのでしょうか?
東洋医学でいう気については、正体不明の不思議なエネルギーとして長い間、
多くの研究者がその解明に取り組んできました。
しかしそれは今でもはっきりとは解明されていません。
解明されない原因には、
東洋医学を現代医学の視点から理解しょうとすることが挙げられます。
ですから、東洋医学と現代医学という枠組みを越えて考えてみてはどうでしょうか。
現代医学の組織・細胞学、また生物学や物理学などの分野までを
東洋医学と合わせて考えてみるのです。
そうすると、最終的に
「気は磁気であり、人体は生きた磁気体だ」という結論に達します。
 どういうことかと言うと、物質が何から成り立っているかを考えることです。
物質は分子が、分子は原子が、原子は素粒子(陽子・中性子・電子など)が
集まって成り立っています。
ですから、この粒子が集まって物質を作り上げているということに他なりません。
 そして最小単位である素粒子は電気を帯びていて、磁気を発生しています。
それらのカで素粒子は原子に、原子は分子に、分子は物質にとなつていくわけです。
ですから当然、最終的にできた物質も磁気性をもっていることは自明でしょう。
 人間の身体も同様です。
人体を形作る骨や筋肉・臓腑も
素粒子⇒原子⇒分子という形で成り立っているわけですから、
「気は磁気であり、人体は生きた磁気体だ」との結論に達するのも自然なことでしょう
人体に電気が流れていることは、現代医学も認めています。
しかし、認めてはいるものの、現代医学がそこに着目することはありませんでした。
それは、人体の生体磁気は地磁気(地球の磁気)の100万分の1から
一億分の1という微弱なものでほとんど計測不能なことから、
人体に影響を与えるほどのものではないと考えられていたからです。
 しかし最近では、世界最高水準の磁気シールドルーム(超伝導センサ)が完成し、
微弱な生体磁場(磁気)計測が可能になったことから、
生体磁気による生体機能の研究も始まります。
こうしたことから、現代医学でも今後は、
磁気について、研究が深まっていくでしょう。

●病気の根本原因は生体磁気異常

 「気は磁気であり、人体は生きた磁気体だ」とのことを大前提とすれば当然、
人体の基本構成粒子である素粒子がもつ電子エネルギーの強弱によって、
生体磁気も変化することになります。
ですから、人体の六臓六腑をはじめとする各部位の電子エネルギーの不調和が、
生体磁気の異常を発生させ、病気を引き起こすという図式になるわけです。
 つまり、体内のある部位が正常機能を失う⇒
⇒その部位の電子エネルギーが強まったり弱まったりする
⇒経絡を通じて、補充し合う他の正常な部位との電子エネルギ一に差異が生じる
⇒生体磁気の異常としてその経絡上のツボにコリ・シコリ・痛みなどの形で現れる
⇒病気の発症を知ることができる、ということになります。
 ですから、病気を治すためには、
磁気異常を生じている部位の電子エネルギーを調整することが第一歩になります。
東洋医学はこのような考え方に基づいて病気を治しています。
これが、東洋医学を気=磁気の医学と呼ぶ所以です。
 また東洋医学では、人の身体全体を一つの世界とみなし、
各臓腑が補い合う関係にあると考えているところから、
体内の電子エネルギーのバランスが崩れて、
人体が本来もっている正常な機能が損なわれた状態を病気と呼ぶわけです。
 そのため、現代医学で言う疾病に対しては、
治療不可能のケースや回復に時間がかかる場合も出てきますが、
東洋医学は現代医学よりも顕著な効果を示します。
 いずれにしても、
東洋医学では、
病気の原因が体内の電子エネルギーの不調和から生ずる生体磁気の異常にあると
結論します。
 そして六腑の一つである三焦は、
体内の電子エネルギーが作用変換する場と考えられますから、
電子エネルギーを基本に考える東洋医学における基本とも言えます。
また、五行陰陽説の陰と陽については、
陰を電子量の多いものが発性させるエネルギー現象、
陽を電子量の少ないものが発生させるエネルギー現象と、
定義づけました。
 しかし、この陰陽のエネルギーバランスが保たれている場合は
何も問題ありませんが、
電子エネルギーが異常に増加した場合、お血現象として現れます。
お血とは、血の巡りが滞って起こる病気のことで、
東洋医学では、「血液の停滞に伴う血液の異常酸化現象」と位置づけています。
つまり、異常酸化した血液が体内を巡るわけですから、
身体のさまざまな器官に悪影響を及ぼすことになります。

●三焦が電子エネルギーをつかさどる

電子エネルギーを三焦がつかさどっていることは前にも述べたとおりですが、
電子エネルギーは食物にもあり、食物が体内に入る時、
食物の電子エネルギーがさまざまな影響を身体に与えます。
体内の電子エネルギーを変換する際には、
体内の電子エネルギーを変換する際には、
細胞膜の分極・イオン透過性・損傷電流・磁気の作用・電気変性反応陽性
・自由電子の誘導など、さまざまな要因が関わっています。
こうしたさまざまな要因を受けながら、電子エネルギーの変換は行われるわけです。
 では、それぞれについて、詳しく説明しましょう。
・細胞膜の分極
細胞内の電子エネルギー現象を意味するもの。
通常、細胞膜の外側はプラス電 位、内側はマイナス電位を帯びていますが、
外側の電位をマイナスに高めると内 側にプラス電位を誘発し、
内側のマイナス電位がプラス電位に逆転します。
・イオン透過性
イオンが細胞膜を透過することによって、細胞内の電子エネルギーが増減します。マイナスイオン(純度の高い化学薬品のようなもの)が
細胞膜を通過して細胞内に入ってくると、細胞内にマイナスイオンが増加し、
細胞内の電子エネルギーは増加します。
逆にプラスイオン(海水のような塩分で育ったもの)が
細胞膜を通過して細胞内に入った場合には、細胞内にプラスイオンが増え、
細胞内の電子エネルギーは減少します。
前者を細胞内の電子エネルギーの増加、後者を電子エネルギーの減少と呼びます。
・損傷電流
皮膚などが傷ついた時に流れる電流のことを言います。
皮膚などが傷つくと電子が流れてマイナス電位が生じるため、
傷ついた周辺細胞の電位がプラス電位に変わります。
この現象を利用して電子エネ~ギーを調整する治療法が鍼や灸です。
・磁気の作用
体内には、素粒子から生じる電子エネルギーが流れています。
ですから外部から磁気を作用させることによって、
体内の電子エネルギーを調整することができます。
磁気療法は、これを利用した治療法です。
・電気変性反応陽性
プラス電位・マイナス電位は電子密度の増減に左右されるので、
人体のある部位に圧力を加えて組織密度を変化させ、
プラス・マイナスの電位を発生させるというものです。
つまり、人の組織を強く押すと組織密度が高くなってマイナス電位が発生します。その押圧を急に開放して組織密度が低くなると
プラス電位が発生するという原理を応用して治療を施すものです。
 例えば、マイナス電位の異常増加によって起きる、
痛む部位を強く押しておいて急に解放すると、
プラス電位が生じてマイナス電子量を減少させて痛みを和らげることができます。東洋医学の手技でこれに当たるのが按摩・マッサージ・指圧、
カイロプラクティック、オストパシー、整体法です。
また、首や肩にコリや痛みを覚えた時、
首や肩をぐるぐると回すだけで症状が軽くなった経験は誰にでもあると思います。これは、適度な運動による筋肉や骨格の緊張や弛緩が、
人体の電子エネルギーを調整しているということになります。
このように人は運動することによって、
常に電子エネルギーの調整をしているわけです。
太極拳やヨガで言う「気の調整」もこの理論からくるものです。
・自由電子の誘導
自分の意志によって、体内の自由電子を特定部位に誘導し、
その特定部位の電子エネルギーを調整することです。
これは、気分や気持ちなどといった精神面における気の調整を行うもので、
催眠療法や暗示療法、ヨガ・気功などがあります。

また、内観法などの宗教的色彩の強い両方が多く、
祈祷や呪祖・呪いなどもこれに該当します。

●塩マッサージでひじ・ひざ・かかとがなめらかに

 数年前、塩マッサージは大ブームを巻き起こしましたが
化粧品店やバラエティショップなどで、塩が化粧品用途として販売され、
「塩マッサージでやせる」や「塩マッサージで肌がつるつるに」などと
女性雑誌でも話題になりました。
 塩が肌に与える影響の代表的な作用は、血行をよくし、新陳代謝を活発にすること。皮脂の分泌も促し、肌を柔らかくしてくれます。
ひじ・ひざ・かかとは、角質がたまって最も固くなりやすい所です。
冬になるとますます乾燥して白くなり、ひびが入ったようになります。
なんでもないようでも、若い女性には気になつてしかたがないようです。
そんな若い女性のために、塩のマッサージを紹介しましょう。
 まず、大さじ一杯程度の塩を手のひらに取ります。
その塩に湯を少量加え、少しザラつく程度まで、溶かします。
これはただ塗りやすくするためのことなので、度合いは好みに応じてで構いません。
 そうして作ったシャーベット上の塩を、
ひじやひざ・かかとなど、角質のたまった部位にすり込みながら
ていねいにマッサージします。
そのままマッサージをしていると、固くなった角質もしだいに柔らかくなっていきます
十分すり込んだあとは、洗い流し、再び浴槽で暖まりましょう。
 ナトリウムと塩素がプラスとマイナスのイオンをもっていて、
塩を摂取することによって体内でそれらのイオンが
内臓や各器官でいろいろな作用をするということを説明しました。
また、塩がもつイオンは透過性なので、
塩素とナトリウムのイオンが分極することなく体内で働くということも述べました。
 このようなマッサージを行うことにより、
塩が皮膚に対してどのような影響を及ぼし、
またどのように肌に作用しているのかについて触れておきましょう。
 塩は簡単に皮膚に浸透します。
ただこの時、皮膚から吸収されるのはナトリウムで、塩素は吸収されません。
体内から塩素が排泄されるように皮膚の内部にも塩素は不要なのです。
 しかし、この塩素が全く無意味であるというわけではありません。
皮膚の表面で凝固した塩素は、消毒殺菌の作用を及ぼします。
今では少なくなつていますが、プールの水を殺菌するために
塩素を大量に使用したものです。これと同じ原理です。
皮膚の表面で塩素は、殺菌効果を発するため傷の治りが早くなつたり、
にきび肌が治ったりという効果を現わします。
 この時、使用する塩が高温処理のものだつたらどうでしょうか。
高温処理した塩の場合、塩素とナトリウムは離れにくくなつていますので、
ナトリウムと一緒に塩素も皮膚内に浸透してくることになります。
ですから、マッサージに使用する塩も、低温処理されたものがよいと言えます。
そうでないと、塩の本来もつさまざまな作用を、期待することはできません。

●頭皮のマッサージで毛髪もつややかに

 頭皮の新陳代謝を促し、皮脂を分泌させるのに、頭皮の塩マッサージは効果的です。
頭皮にある無数の毛穴からは、毎日脂肪と老廃物が分泌しています。
これが順調に行われ、毛穴を詰まらせることなくきれいに毎日取り去られていれば、
それだけで毛根は健康を維持できます。
しかし、ここで汚れが詰まっていたり、脂肪がきちんと分泌されないと、
頭皮のトラブルを起こしてしまい、毛髪のツヤやハリにも影響します。
 そこで、その頭皮の汚れをきれいに取り去り、
正常な新陳代謝を促す頭皮の塩マッサージの方法を紹介しましょう。
 まず浴槽で十分暖まります。じつくり暖まることで皮脂の分泌が促されます。
そしてシャンプーで毛髪の汚れを落とします。
きれにすすいだあとで、いよいよ塩マッサージです。
 洗面器に約500CCの湯を汲み、そこに大さじ1杯(約5g)の塩を溶かします。
初めて塩マッサージをする場合は、毛穴の奥にたまっていた皮脂がたくさん出ます。
ですから、濃いめの塩水でマッサージすることを勧めます。
 作った塩水を頭皮に浸み渡るようにかけます。
そして頭皮をよくマッサージします。
塩分が毛根に染み込むように、指の腹を使いていねいにマッサージしましょう。
十分マッサージしたら、きれいに塩水を洗い流します。
 洗い流す前に、蒸しタオルを巻いて浴槽に入るのも効果的です。
湯に入っている間に、暖められて新陳代謝がより活発になり、
皮脂がさらに分泌されます。
出たあとは、その皮脂をきれいに洗い流しましょう。
リンスをする場合は、最後にしてください。
 頭皮から分泌される皮脂の量は人にもよりますが、
その人の常日頃から食べているものにも左右されます。
しかし塩マッサージをすると、たまっていた皮脂が一気に外へ出されますので、
その皮脂の多さに驚く人も少なくありません。
でもその分、頭部はすっきりとします。ぜひ、試してみてください。

●塩で洗顔、肌がつるつるに

 ひじやひざ・かかとだけでなく、塩で顔を洗うのも美容に効果的です。
この場合も頭皮マッサージと同じ濃度の塩湯を使いましょう。
洗面器4分の1ほどの湯量に大さじ1杯程度の塩を溶かします。
 その塩湯で顔を優しく洗いましょう。
できれば、塩湯をつけたまましばらくおいてみてください。
湯に含まれる塩分が毛穴から浸透し、
毛穴に詰まった皮脂や汚れを外へ外へと出していきます。
この場合も頭皮マッサージ同様、顔の汚れを落としてから行います。
特に化粧などはきれいに落としてからでなければ、効果は期待できません。
 塩洗顔は、脂性肌の人やにきびができやすい人に特に効果的です。
毎日続けると確実に肌の感じが変わっていきます。
塩には殺菌効果もありますので、にきびも予防します。
また新陳代謝が高まるため、毎日続けることで、
生き生きとした若々しい肌を保つこともできます。

●アトピー性皮膚炎に海水療法

 塩を摂取した時、体内で起こるイオンの作用については既に説明をしたとおりです。
もちろん、皮膚に塩分が浸透する時も、同じようにイオンが作用します。
 体内でマイナスイオンが増加すると、
温度が下がった時の物質と同じ状態になると述べました。
低温状態の物質は凝固し、緊張し、こわばつた状態になります。
逆にプラスイオンを帯びると弛緩し、リラックスした状態になります。
皮膚も同様です。
 アトピー性皮膚炎の場合、患部の皮膚の表面は
マイナスイオンを帯びていますので緊張して過敏な状態になっています。
そのためちょつとした刺激にも敏感に反応し、かゆみや痛みとなつて現れ、
皮膚表面は硬変します。
これは、皮膚表面のマイナスイオンが急激に増え、興奮状態にあるからです。
 こうした状態の時、塩水や塩湯を浴びると、
塩の中のナトリウムのプラスイオンが皮膚表面から浸透して、
マイナスイオンを解消します。
 横浜労災病院の皮膚科部長である向井秀樹医学博士は、
塩水療法によって数くのアトピー性皮膚炎患者を治癒させています。
これは、塩の中でもプラスイオンの性質をもつナトリウムがうまく働くことによって、
アトピー性皮膚炎の症状を軽減していくというメカニズムになっています。
 ですから、この場合も、
ナトリウムと塩素の結びつきが緩やかである低温処理の塩でないと効果は望めません。あくまで、体内や皮膚下にはナトリウムだけが浸透するよう、
塩素は表面で殺菌作用を行うよう、この二つが別々に働くことが必要なのです。
 高温処理した塩の場合、ナトリウムイオンだけでなく、
塩素のマイナスイオンまでが浸透するため、
アトピー性皮膚炎の症状を抑えることはできないと言えるでしょう。
 向井博士の海水療法は、毎日1回入湯の際に、患部に薄めた塩水をつけるだけのもの。
もちろん、皮膚炎の患部に塩水をぬるわけですから、染みないとは言えません。
しかし、驚くほどにかゆみは消えていきます。
 コップ1杯の水に対して、小さじ1杯程度の塩を溶かします。
それを患部につけます。
刺激が強い場合は、少し湯を足して調整するようにしましょう。
毎日行うことで慣れてきた場合は、小さじ1杯を2杯に、
2杯を3杯にと塩の量を少しずつ増やし、濃度を高めていきます。
 最終的には、約200CCの湯に対して小さじ10杯まで濃度を高めれば十分です。
そのうちに患部の状態は落ち着き、自然塩を直接つけても大丈夫な程に回復します。
 手のひらに塩水を取り、軽くなでるように肌につけていきます。
強くこするのではなく、たたくようにつけるだけで結構です。
これを、同じ所に2、3回線り返します。手足の場合、筋肉にそって上から下へ、
あるいは下から上へと塩水をつけていきましょう。
 また腹部は円を描くように、背中は首から下半身に向かってつけていきます。
顔の場合は、特に低濃度から始めることを勧めます。
コップ1杯のぬるま湯に対して小さじ半分、または2分の2程度の量から始めてみましょう
その際、手ではなく、柔らかいガーゼに染み込ませて使用するのもよいでしょう。
 塩水を患部につける際、気をつけてほしいのが身体を洗ってからにすることです。
皮膚の表面をきれいにしてから、塩水をつけたほうが効果があるようです。
そしてしばらく放置したあとは必ず洗い流してください。
あまり長い時間放置すると、あとで症状が悪化することもあります。

●足浴で足の疲れを解消

 血行をよくして足のむくみを取るのに効果的なのが〈足浴)です。
これも方法は間単です。
 まず、両方の足を揃えて入れられる容器を用意します。
くるぶしまで湯に浸かる程度の深さが必要です。
その容器に39度ほどの湯を入れ、塩をひとつまみほど加えてください。
足浴の場合は、しばらくすると湯の温度が下がりますので、
近くにポットなどを用意し、たまに足しながら温度を調整することが必要です。
 足だけを暖めている足浴ですが、不思議と身体全体が温まってきます。
少し汗ばむくらいまで続けます。
約20分ほどで身体全体が温まり始めますが、個人差がありますので、
あくまで汗ばむ程度が目安です。
自分の体調に合わせて、浸かっている時間は調節しましょう。
部屋が冷えていると、揚の温度も下がりやすいので、
冬は暖かい部屋で行なつてください。
 汗ばむほど温まってきたら、足についた塩湯をさっと流します。
あらかじめ水を入れた容器を用意しておき、水で足を1分ほど冷やしたあと、
そこに熱い湯を入れてちょうどよい温度にし、足についた塩湯を流しましょう。
水で冷やした足は、内側からポカポカしてきます。
身体を冷やさないよう注意し、しばらくリラックスするようにします。
この時、ゆっくりとアロマテラピーなどを楽しむのもよいでしょう。
 足浴は、冷え性で因っている人、足のむくみで悩んでいる人などに効果的です。
どちらも、身体全体の血行障害からくるものですから
足浴で血行をよくすることにより、悩みは解決されるでしょう。
 最近では、低体温の人が増えていると言われます。
特に女性に増えており、そうした女性たちが出産する子供もまた、
体温が低いのだといいます。
低体温の人の場合、血管は常に収縮した状能だありますので、
血流が滞り、さまざまな病気の原因にもなりかねません。
冷え性の人や普段から体温の低い人は、
足浴をしたり、塩を上手に利用したりして、少しでも改善を試みましょう。

●塩洗浄で花粉症も撃退

 春になると聞こえてくるのが、花粉症によるくしやみ。
最近は免疫力の低下からか、花粉症人口も増加傾向にあるようです。
治療法の一つとして、鼻の洗浄があります。
耳鼻科でやってもらうこともできますが、
自分で、しかも塩を使ってやることができます。
 1カップのぬるま湯に小さじ4分の1の塩を溶かします。
この塩分の濃度は血液や体液とほぼ同じですから、
刺激を受けやすい粘膜でも、受け入れやすい塩湯ということになります。
 これをグラスに入れ、そのグラスの縁を鼻の下につけて、
グラスを傾け鼻からその塩水を吸い込みます。
片方の鼻から吸い込む時は、もう片方の鼻を指で押さえます。
吸い込んだ塩水は口から吐き出します。
これを左右交互に5、6固練り返します。
最初は難しいと思いますが、
何度かやるうちにしだいにコツをつかんで簡単にできるようになるでしょう。
 風邪の予防にうがいはかかせませんが、
外出先で吸い込んでしまったほこりや菌は、
喉だけでなく鼻のずっと奥まではいってきて、粘膜に付着しています。
ですから、このような方法で鼻を洗浄するのがいちばんよいのです。
 花粉症で悩んでいる人の場合だと、
シーズン中は1日1、2回必ず行うことを勧めます。

●塩水で目も洗浄

 近年、ワープロにとどまらず、コンピュータがものすごい勢いで普及し、
これらのOA機器なしでは、仕事もままならない時代になってきました。
世のサラリーマンやOLは、一日じゆうOA機器に向かって仕事をし、
多大なストレスを感じています。
 そのような生活の中で、最もストレスを受けているのは、やはり目です。
ブルーベリーが目によいと言われれば、
すぐにブルーベリーの健康食品が売れ筋に上がるほどですから、
眼性疲労に悩んでいる人たちがどれだけ多いかがわかります。
さらに、日の疲れを取るようなリラクゼーショングッズも
最近ではかなりの種類が出回っています。
 OA機器だけが目を疲れさせているわけではありません。
大気中には、私たちの身体に悪影響を及ぼす細菌が多く存在しています。
ですから、最近では目の汚れを取り去り、
目の疲れを癒すす医薬品なども多く出回るようになりました。
 しかしこれも塩で代用することができます。
この場合、1カップの水に村してさじ4分の1の塩を用います。
塩をよく水に溶かし、これを目薬のように用いるだけで目の洗浄になります。
あるいは、洗面器に同じ濃度の塩水を作り、
そこに顔をっけて目を開けるという方法も可能です。
 これだけで、目を殺菌し疲れを取ることができます。
高いお金を出して目薬や洗顔剤を買うより、
ずっと経済的で簡単にリフレッシュすることができます。
 携帯用の容器などに入れておいて、
オフィスで使えるように工夫してもよいでしょう。
眠い時などにも用いると効果的です。
 ただし、目は粘膜ですから、さまざまな刺激を受けやすい部分です。
塩水を用いる時は、濃度に十分気をつけることが必要です。
濃度を守って塩水を作れば、なんら問題はありません。

●高血圧と塩の本当の話

塩の成分については、種類別に第2章で詳しく述べますが、
どの種類を見ても大半は塩化ナトリウムが主成分です。
塩化ナトリウムは塩素とナトリウムが化合したもので、言うまでもないでしょう。
では「塩分の摂りすぎに注意!」とよく言われますが、
本当に塩の摂りすぎは身体によくないのか、
塩化ナトリウムの(塩素)(ナトリウム)のいずれが身体に
悪影響を及ぼすのでしょうか。
この間題は長年にわたって、
医師や各研究者間で様々なデータをもとに論争が繰り広げられてきました。
その結果、未だ一部少数の学者たちの間では、
問題は塩素にあることが浮上してきました。
たとえば、ナトリウムを塩素ではない違う化合物と結合させて人に与え、
塩分の摂りすぎで生じる代表的な健康障害である高血圧を見てみましょう。
ナトリウムを塩素以外のものと結合させたもの、
つまり炭酸ナトリウムやクエン酸ナトリウムを人に与えた場合、
血圧の上昇は見られませんでした。
一方、塩素をナトリウム以外のものと結合させた
塩化カルシウム・塩化コリン・リジン塩素酸などを人に与えると、
血圧の上昇が確認されたとのです。
つまり、血圧の上昇の原因は、ナトリウムではなく塩素にあるということです。
これまでは、塩素ではなくナトリウムが原因だとされてきました。
しかし前期実験によって、少なくとも血圧の上昇については、
塩素が原因であると証明されたことになります。
高血圧の原因が塩だといわれている原因は、
戦後にアメリカの研究者が行った調査結果にあります。
日本で高血圧患者の数を調べたところ、東北地方に高血圧の患者数が多かったためです
ですが前述のとおり、高血圧は、
ほとんどが塩分の摂りすぎによるものではないことが裏づけられてきています。
ですから、高血圧だからと言って、塩を完全に抜いた食事をすると、
逆に健康を害してしまうことにもなりかねません。
人によっては塩分の不足は、
めまいや頭痛に悩まされたり、突然脱力感に襲われたり、眠くなりやすくなったり、
身体が動きにくくなったりなどの症状をあらわす場合があります。
もちろん、
高血圧の患者の1、2%が塩分の摂りすぎによるものであることは無視できません。
しかしその原因が塩素にあるということがわかってきています。
ですが、血圧を上げる原因が塩素にあると確認されつつあるものの、
私たちの食生活に塩分は不可欠で、ほとんど毎日摂っています。
もちろん、塩素の入っていない食塩なんてありえません。
私たちは、血圧を上げる原因となる塩素を摂り続けなければならないのでしょうか。
心配はいりません。この塩素は体内の塩分の濃度が一定に保たれていれば、
体外へ排泄されるからです。
通常、摂りすぎと言われる栄養素は、体内に蓄積されるものを指しますから
体外に排泄されるものを、摂りすぎて病気になるということはほとんどありません。
ただし、塩の種類によっては、塩素が体内に蓄積されてしまう場合もあります。
その鍵を握っているのが製法です。
塩の製造の仕方によって、
塩素が体内に蓄積される塩と、塩素が体外に排泄される塩との2種類に分かれます。
したがって、塩素が体外に排泄される塩を選ばなければなりません。

●塩不足は身体に悪い

塩不足が原因で起こる例として、こむらがえりを前に挙げましたが
その他にも塩不足で起こる障害は多数あります。
特に気をつけたいのが腎臓です。
腎臓は、体内の塩分を一定に保つ役割を果たしています。
ですから、体内の塩分の濃度が低下すると、腎臓は一定に保とうと必死で活動します。
しかし、人は汗や尿によって、身体の塩分をどんどん外へと排泄していきます。
塩分が補給されることなく、排泄されるばかりであれば、
腎臓の機能が追いつかなくなり、腎臓障害を起こしてしまいます。
ですから、腎臓の機能が低下している老人や赤ちゃんの場合、
減塩することは特に危険度が高くなります。
赤ちゃんの場合、腎臓機能が完全に発達していません。
赤ちゃんが脱水症状を起こしやすいのは腎臓の機能が完全でないからです。
ですから、水分を与えると同時に、
体内でのナトリウムポンプが正常に働くように塩分も補給してあげなくてはなりません
また、塩分が不足するとナトリウムポンプの働きが低下します。
ナトリウムポンプの働きが低下すると、
各器官の働きも悪くなるのと同時に腎臓機能が低下することが加わり、
体内の水分不足を引き起こす結果、血液濃度が高くなってしまいます。
血液が濃くなれば血流が滞り、脳卒中などを引き起こしやすくなります。
たとえ脳卒中を起こさなかったとしても、血液が濃くなると、
他の内臓をはじめ諸器官の働きを低下させることにつながりますので、
気をつけなければなりません。
もちろん健康な人でも、大量に汗をかいたりした時は
体内の水分が不足するとともに塩分も不足しますので、
その両方を補給する必要があります。
特にスポーツなどで汗をかいた時は、水だけをがぶ飲みしないで、
水と塩分をバランスよく補給するようにしましょう。
水分だけが急速に満たされると、身体の塩分濃度が薄くなり、
塩分濃度を一定に保とうとする腎臓に負担をかけてしまいます。
これで、減塩が健康上有効でないこともおわかりいただけたでしょう。
減塩の食事は、味もあまりよいものではありません。
塩は味の基本でもあります。
食事をおいしくいただくためにも、必要な調味料です。
味気ない食事を摂って、さらに健康を害してしまうようでは意味がありません。
身体によい塩を選び、栄養バランスを考慮したおいしい食事を摂り、
健康を維持していきたいものです。