「正食と人体」第十章 一倉定著
血液を清浄化する
血液とガンの生理 一倉定説
ガンの原因は何だろうか
欧医学では沢山の説がある上に、
あとから、あとから新説が出てくる。
ということは「決め手がつかめない」
ということである。
「これでは正しい治療とか対策は望むべくもない。
正食医学では
「ガンは血液の汚れが原因であり、汚れるのは肉食が元凶である」
というのが一致した見解である。
この見解は、表現を単純化しているのであって、決してこれだけが原因と決めつけているわけではない。
ガンの原因の最大のものは、明らかに肉食である。
肉には危険な老廃物が多量に含まれているからである。
老廃物以外の主な原因は、白砂糖、白米、化学調味料、添加物、残留農薬、合成医薬品などであり、
それ以外では、工場排種・廃液から、電磁波、放射線、その他に至るまであるのだが、
論旨をわかりやすく 述べるためにここでは肉を代表として扱うこととする。
ガンで最も不思議に思われているのは、
「ガン細胞は、細胞分裂の法則に全く当てはまらない狂った細胞だ」といわれていることである。
しかも「転移」という他の如何なる病気にもない不思議な現象がある。
この二つの現象を中心にして一倉仮説を組み立ててみた。
血液は、塩の新陳代謝機能によって、栄養分を細胞に与え、汚れた細胞内液を取り去る。
汚れた内液は、血液とともに肝臓、腎臓、肺などに運ばれて浄化され、
新しい血液が補給されて、また全身を廻る。
血液を汚すものは二つある。
一つは自らの生理作用による老廃物と、
食物に含まれる老廃物つまり 動物食に含まれている老廃物である。
この老廃物は、肉食の増加とともに増大し続ける。
これらの老廃物が人体の老廃物浄化力を上廻ると、
あとは血液中の老廃物が増加してゆき、汚れた血液 となってしまう。
そのため細胞も汚れ、病んでしまう。これが内因性の病気である。
だから、何等かの方法で血液を浄化しなければならなくなる。
そこで、自然治癒力は、この老廃物を集め、血液中に溶けこまないような処置をして、一か所に集める。
これがガン細胞といわれているのである。
ところで、この老廃物は、体内で発生するものでも、
体外から食物として入ってくる老廃物であっても、
固体の違い、食餌の違いによって、その量はマチマチである。
老廃物の量の違いは、これらのものがガン腫に変わるのだから、
ガン腫の大きくなるスピードが違う。
だから、細胞分裂の法則とは関係なく大きくなってゆくのである。
「狂った細胞」とは、ピント外れの解釈 である。
この堆積物は、体内にあるのだから、体温で溶けなければよい程度の膜でおさえている。
だから、温熱療法の熱では溶けるのである。
温熱療法というのはガンを散らすだけである。治ったのではない。
そして血液が汚れて、もとのもくあみ。これをまたまとめることになる。転移である。
ガン以外に転移ということは起こらないことを考えてみればわかる。
ガン腫は、血液の汚れの結果だから、これを切除するというのは意味がない。
その原因である血液を浄化することこそ正しい治療法なのである。
血液を浄化できるものは、清浄で陽性な食物のみである。
人造の薬は、人体にとっては毒物である。
その証拠に副作用がある。ということである。この毒も毒なるが故にガン細胞に変わる。
陽性で清浄な食物さえあれば、
あとは自然治癒力が驚異的な力を発揮して、血液を浄化してくれるので ある。
「正食の直接の目的は、清浄な血液を作ることにある。
したがって、健康な人でも病人でも、その病気が どんなものであろうとも、
陽性病に対しては、その病状に応じて陰性食をとり、陰性病には陽性食をとる。
また、特定の病気に、特に効力の大きな特別食や増血食、
体内毒を吸い出すものとして、いろいろな湿布やバスタなどを用いるくらいである。
これらの食養は、目を見張る効果がある。それは、宇宙の根本原理に基づくものだからである。
動物と植物の決定的な相違は何か
動物は動き、植物は動かない。
これこそ決定的な違いである。動物と植物は、もとは一つのものが二つに分かれたのは誤りない。
「腸の絨毛と木の絨毛は、動物と植物の違いでありながら、名前が同じ、字が同じ、
どちらも栄養分を吸収する役割を持っている。
ヘモグロビンと葉緑素は、どちらもピロール基四つを持っており、
その中心に 鉄があればヘモグロビン、マグネシウムがあれば葉緑素である。
これは、もとは一つのものであった証拠 と考えられる。
それにもかかわらず、動く生物と動かぬ生物に分かれたのである。
もと同根でありながら、動物は動くために老廃物を発生させ、植物は動かないので老廃物を発生しない。
これが、寿命の大幅な違いとなってしまった。
植物は千年以上の寿命を持ち、動物は百年以下である。
動くと動かない、老廃物があるとな い。では、これほどの差がついているのである。
植物は老廃物処理の必要がないために、そのエネルギーを「生長」に使うことができる。
樹齢七千年と いわれている縄文杉は、春になると新芽をふく。
動物は老廃物処理に大きなエネルギーを使うために、処理できる範囲内で成長が止まってしまう。
老廃物は有害物質である
植物は、腐っても悪臭を発生しない。これは無害の実証である。
なぜ悪臭を発しなければ無害かというと、
動物質のものは、腐ると猛烈な悪臭を発生する。
これは、人 体にとっては有害なので「食べてはいけない」という自然治癒力の警告である。
神は、こうして動物の生 命を守っているのである。
階段や坂道をのぼると、ふくらはぎが痛くなる。
これは、動いたことによって筋肉内に老廃物が発生したためである。
痛くなるのは、と、数秒で痛みがすうっと消えてゆく。
そのスピードは驚くほど早い。血液が老廃物を運び去るからである。
人体の健康を守るた めに、超特急で老廃物を除去してしまうのである。
動くと老廃物が発生し、その老廃物は毒物である、ということを、われわれは看過(見すごし)しすぎ ている。
これについて少し考えてみよう。
アフリカの草原で ライオンをジープで追いかけてみると、せいぜい三十分でヘタりこんでしまうという。
シマウマやカモシカを追いかけてみると、二時間でも三時間でも、一向にヘタりこむことはないという。
その理由は簡単である。
ライオンは肉食動物なので、
体内には食べた動物の肉に含まれる多くの老廃物があるために長距離を走るスタミナがない。
シマウマやカモシカは草食動物で、食物の中には老廃物がない。
だから、長距離を走ってもヘタりこむ ことがないのだ。
肉食動物は瞬発力はあるが耐久力(スタミナ)は乏しい。
反対に草食動物は瞬発力は乏しいが耐久力は 十分である。
「では、鳥類ではどうだろうか。タカ、ワシ、ハヤブサなどは猛きん類で、肉食鳥である。
そして、「留鳥」である。
つまり一か所に留まって生活している。「渡り鳥」は草食または雑食である。
雑食といっても食べる動物は、カエル、ドジョウ、虫類などの小動物である。
この事実は何を物語っているのだろうか。
肉食鳥はスタミナが乏しいので、万里の波を越えてゆくスタミナをもっていない。
渡り鳥は、白鳥や カンに見られるように、大型鳥であっても、
はるばるシベリアから日本に飛んできて、また帰ってゆく。
スタミナ十分だからである。
肉食動物は何故スタミナがないのか その原因は、肉の中に含まれている老廃物」にある。
動物は動くために体内に老廃物が発生する。
その上に、食物としてとるのが、やはり肉である。この肉 の中にも老廃物が含まれている。
この二つの毒が重なって、肉食動物の内臓は、これの処理に追われている。
草食動物のように老廃物の ない食物は全く食べないのだから、たまったものではない。
いくら内臓で大車輪で老廃物を処理しても、とても追いつかない。
次第に老廃物がたまってゆく。これ が老化の原因である。
だから、肉食動物はスタミナがなく、寿命が短い。
それに反して草食動物の食べるものには、老廃物は含まれていない。
自らの体内で発生する毒はほとん どない。
「これが、肉食動物はスタミナがなく、草食動物にスタミナがある理由なのだ。
だから、肉食動物は、比較的毒の少ない草食動物を食べ、
毒の多い肉食動物は絶対に食べない。
これが 肉食動物の、せめてもの健康法であり、鳥類でも同様である。
人間が、肉食動物を絶対に食べずに草食動物の肉を食べるのも同じ理由である。
参考のために
二、WHO(世界保険機構)の「塩分は一日4〜5gという指導の誤り
アメリカのM委員会(アメリカ上院栄養問題特別委員食、委員長が大物議員マクガパンなので、
略称をM委員会といっている)の指導のごときは、
さらに少なく、「一日三g」という指導を行っている。
これは、明らかに間違っている。
というのは、これは「調味料の量」を指しているのだが、
塩というものは、調味料だけから摂取しているのではない。
食物の中には必ず塩分つまりナトリウムが含まれている。
それをまったく無視しているからだ。
(A表)ナトリウムとカリウム含有表を参照していただきたい。
植物性食品と動物性食品では、ナトリウム(カリウムも)の含有量が大きく違う。
狩猟民族(欧米人)は肉食だから、食物自体の中からかなりの量の塩分をとっている。
ロースハムやベーコンの好きな人と嫌いな人では、随分塩分の摂取量が違う。
それに対して農耕民族(日本人、アジア人、アフリカ人)は
肉食人種から見ると肉や魚を食べる量が少ないから、塩分摂取量の不足を来す。
だから、その不足分をミソ、曹抽、塩漬けなどで補っている。
日本人以外の人種は塩分の多い調味料や塩漬けはあまり使っていないのはそのためである。
日本人でも肉や魚介類を好む人とあまり好まない人がいる。
つまり、塩分というのは、ところにより個人によって食物から摂取する塩分の量が大きく違う。
それを、調味料だけ一日10gというような指導をするのは間違っているのだ。
こんな大切なことが間違っているのだから、
指導を受ける人がこれを真に受けて減塩げんえん≠ニいっている。
一般大衆は大迷惑である。このために、いかに多くの人が健康を害しているかを考えると、
背筋が寒くなる思いである。
では、塩分の正しいとり方は何を基準にしたらいいか、ということになる。
個人差があるのだから、厄介である、と心配する必要はない。
それは、自然治癒力にすべてを任せろ一つまり神のご意志に従えばよい。
自然治癒力の指令によって、自律神経が精妙無比なコントロールを行っているのだから、
すべてをこれに任せたらよい。
それは、自分の好みの塩味で食べたいだけ食べるという最も易しい方法である。
人間の浅知恵などまったく不要なのである。
といっても、いままで塩とるなのキャンペーンによって自己催眠にかかっているかもしれないから、
一度、いや2から3度、食後にノドが渇くくらいにまで塩分をとるとよい。
ノドが渇けば水を飲めばいいのだ。
また、つい食べ過ぎて塩分の過剰摂取でノドが渇いたときも、水を飲めばよいのだ。
ところで塩について知っておかなければならない大切なことがある。
塩をそのままとったのでは、血管から細胞に塩が入りにくい、
動物は鉱物を消化する能力を持っていないか、持っていても極めて弱いからである。
鉱物を消化できるのは植物である。
つまり効率が悪いので、食物と同時にとるか、薄味にして飲んでもらいたいのである。
三、塩分をとり過ぎることは不可能である
「塩分をとり過ぎないように」という指導が一般に行われているが、
こういう人は本当にとり過ぎが起こるかどうかの人体実験をしていない人である。
無責任ではないだろうか。
そのために、どれだけ多くの人々が、とり過ぎを恐れて塩分不足を起こしているかわからない。
塩分をとり過ぎることは、事実上不可能なのだ。例を挙げて説明しよう。
K社長の奥さまは、手首の内側からひじにかけてはれものができて、
医者に診てもらったら手術をしなければタメだといわれた。
奥さまは手術が大嫌いなので困っていた。
K社長は、私の話で知っていた卵醤=i生卵に醤油を加えたもの・後述)を奥さまに飲ませた。
「三日以上は続けないように」という私の注意はご存じだったが、構わずに毎日一個とり続けさせた。
奥さまは嫌がるのだが、無理に飲ませた。
そして七日目、欲にも得にも体が受け付けないのに、強制的に飲ませた。
目をつむり、息を止めて飲んだところ、ガバッと吐いてしまった。
自律神経のなせる業である。
もう、塩分は十分とったので、これ以上飲んだら体に悪いから吐いてしまったのである。
K社長は、体調調整のため卵醤を毎日一個ずつ飲み続けたが、六日目ごろからは、
卵醤を入れた器を口に近づけると、「ムッ」と醤油のにおいがして胸が悪くなり、
どうしても飲めなくなってしまったという。
三日ほど休んで一個飲んだが、その翌日は我慢にも飲めなかったという。
私自身の実験もある。辛口醤油を小型のコップに半分ほど入れて水で倍に薄めて一気に飲んでみた。
塩分は10〜15g程度であろう。
すると、胸がむかつき、ガバッと醤油を吐いてしまった。
次には醤油の量を前回の半量ほどに減らして飲んでみた。
今度は吐かなかったが、五分ほどたつと、猛烈な下痢が始まった。
五分間に数回の下痢で終わり、あとは何事もなかったような状態になってしまった。
M社長も、右の私とほとんど同じような実験をやって、
同じように下痢をし、あとは何ともなくなってしまったという。
別の実験として、汁も莱も漬物もやや塩辛くしたり、醤油をかけたりして、
徐々に塩分過剰摂取の状態にもっていった。
ノドが渇くので、水を飲むが、それも少量で止めた。
二週間ほどたったころ無性に果物や甘いものが欲しくなってきた。
どちらも塩分中和食である。
結果が出たのでこの実験は中止した。
H氏は、堂々たる体格の偉丈夫である。
豪快に食べ、豪快に飲む。嫌いなのが甘いものと果物である。
そのH氏は、時々やたらに生野菜が食べたくなり、二〜三日はもりもり食べ続けると、
ピタリと生野菜を食べなくなって、また豪快食に戻るという。
生野菜は過剰塩分中和食である。
Y氏も頑健そのもので病気とはまったく無縁である。
H氏とまったく同様なことを私に話してくれた。
右の程度の実験では、決して十分とはいえないが、過剰塩分をとることは不可能であり、
徐々に塩分過剰にもっていっても、ある限界に達すると、塩分中和食をとりたくなるということがいえよう。
いずれの場合でも、自律神経の働きによって過剰塩分防止や中和作用が行われるのだ。
これは、神の摂理で、生物の生命や健康を守り、
維持するための自然治癒力という防衛システムを与えてくださっている証拠である。
なんとありがたい神のご意志であろうか。
われわれは、謙虚な気持ちと感謝の心で、このお恵みを頂くべきではないだろうか。
卵 醤
卵醤というのは、読んで字のごとし、生卵にタップリと辛口醤油を混ぜたもので、
塩分の緊急補充に使うものである。
処方は、有精卵(手に入らない場合は無精卵でもいたし方ない)一個を器にとる。
この場合は、黄味も白味も全部、黄味に白いひも状のものがあるが、それも取り去らない。
文字通り全部である。
「正食」の基本条件は、「いかなる食物であっても全体食≠ナなければならない」というのがある。
だから、全体食のできない大型の魚は失格で、頭から尻尾まで全部食べられる小魚
−いわし、ししやも、どじょう、じやこ (煮干しのこと)などがよい。
この生卵に、殻の片方になみなみいっぱいの辛口曹油を加えたもので、これをかき混ぜて飲む。
醤油の中の塩分は、大型卵で四〜五g、こぶりの卵で三g程度である。
リンゲル液に換算すると、300CC〜500CCである。
それほど強力である。
食前、食中、食後、食間いつ飲んでもよい。
まれに吐いてしまう人がいるが、このときは二回に分けて飲む。
食中だと吐くようなことはない。
用法は一日一個(非常の場合だけ一日二個または一度に二個まではよい)として、
三日か四日続けたらいったん中止して、一週間後くらいから、
一日一個で二〜三日続けたら中止する。
それ以後は、一週間に一個程度とする。
これは、食物により、本人の体質により個人差があるから、
どのくらいの間隔で飲んだらいいかは、自分で見つけること。
毎月一日から三日まで一個ずつ飲み、あとは翌月まで飲まない、という人もいる。
子供に飲ませるときには、大人との体重比の量とする。
また、嫌がる場合は醤油の量を半分くらい(にしなくとも差し支えない)にして卵焼きとして分食させる手がある。
塩分が十分に体にゆきわたると、卵醤を飲みたくなくなるから、このときは飲む必要はない。
すべて自然治癒力に任せることが正しい。
特別に塩分不足の人や、卵がこぶりの場合には、五日でも七日でも連続して飲んでよい
そのうちに飲みたくなくなるから、そのとき中止すればよい。無理に飲み続けてはいけない。
また、生卵をご飯にかけて食べるのは、日本人の発明した健康食の傑作である。
醤油の量は本人の好みでよい。そして食べ続ければよい。
これだけで、体調はまったく変わってしまい、体はポカポカして気持ちがよい。
冷え症なんかは、どこかへ飛んでしまう。
不思議なくらい疲れなくなって、夜は寝つきがよくなって熟睡し、
朝は六時ごろ(五時ごろになったらなおよい)には自然に日が覚める。
塩とって目覚め爽やか今朝の空=@という気分を味わうことになる。
寝起きが悪いのは塩分不足の証拠である。
決して体質ではない。
そして、朝型人間と夜型の両方兼備となる。
「朝起きた時に、三十分〜一時間は頭が十分に目覚めていないから云々」という説は間違い。
これは塩分不足の人だけのことである。
塩分十分なら目覚めた瞬間に頭も同時に覚めて、クルクル回転することを実感することができる。
熟睡するからである。
スタミナは十分になり、朝の通勤ラッシュにもまれても平気の平左である。
だいたい朝の通勤に一時間や二時間立ちっ放しで、
押し合いへし合いをして疲れてしまうなんてのがどうかしているのだ。
塩分十分ならば、こんなことは絶対にあり得ないことである。
過労死なんてのは典型的な塩分不足で、塩分十分ならば、
過労死したくとも、その望みは絶対にかなえることはできない。
その理由は後述する。
また、会社ストレス症候群≠ニいわれているさまざまな症候がある。
出社拒否症、出向拒否症、帰宅恐怖症、管理職症候群、海外勤務症候群、人事異動症候群など
後から後から生まれてくる。
何というひ弱″な症候群だろうか。これでは会社勤めなどできないではないか。
このような症候群をハネ返すのは、塩分を十分にとる以外にはあり得ない。
ウソだと思ったら、塩分をモリモリとってみてください。
塩分とり過ぎは絶対に起こらないのだから。
安心して十分な塩分をとってください。
そこで一つ、老婆心(?) から申しあげておきたいことがある。
それは、「塩」と私が書いているのは、
専売局の食卓塩は塩でなくて化学薬品だから論外として、
生理作用としての「塩」と、食物としての「塩」との違いについてである。
生理作用の塩とは「塩化ナトリウム」という元素のことであるが、
食物としての「塩」というのは食物中の塩と調味料としての塩の合計である。
その自然塩のとり方であるが、
先にも述べたようにこれを塩だけを水に溶かして飲むのは、
効率が悪いから、飲んではいけないわけではないが、もっと効率よくとるためには、
塩として単独にとるのではなくて、
ゴマ塩、ミソ、醤油、漬物、梅干し、たくあん、塩と油のいためもの、
というように食物と組み合わせてとるのが効率がよい。
ということを心得ておいていただきたい。ということである。
これは食物の中に住んでいる微生物″の働きで、効率が非常によくなるからである。
「卵醤」の作り方
※作り方
有精卵(手に入らないときは、無精卵でも仕方がない)
全卵一個を器にとり、からの片方になみなみの一杯の辛口醤油を加え、かき混ぜて飲む。
※用法
一日一個(一日の内いつ飲んでもよい)として、三〜四日続けたらいったん中止し、
一週間後くらいから、また、二〜三日つづけ中止する。
それ以降は、一週間に一個程度とする。
本人の体質により個人差があるので、どのくらいの感覚で飲んだらいいかは、自分で見極める事。