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「塩」をしっかりと摂れば、病気は治る 石原結賓著

『「塩」は体を温め、免疫力を上げる!
今までの、極端な「減塩」信仰は大間違い!』  著者・石原結實

まえがき
一九五〇年代に、日本に調査に訪れたアメリカの学者、ダール博士が、
鹿児島から青森まで、塩分摂取の状況、高血圧、脳卒中の発生頻度を調べたところ、
北に行くほど、塩分摂取量が増大し、
高血圧や脳卒中の発生頻度が高くなることがわかり、
「高血圧や脳卒中の予防のために」と称して
六〇年代頃から「減塩運動」がされるようになりました。
 その結果、我々、日本人の頭の中には、
すっかり「塩分=悪」という図式がインプットされてしまったようです。

しかし、漢方医学では、
冷え症で、体温が低く、アレルギー、胃腸病、貧血、自律神経失調症、
うつ病、リウマチをはじめ種々の痛みの病気など、
陰性(冷え)の病気にかかっている人には、
塩、味噌、しようゆ、メンタイコ、チリメンジャコ、佃煮、漬け物など
塩気のきいた、体を温める陽性食品をしっかり食べさせると、
健康が増進し、病気が回復する……
という考え方が二〇〇〇年以上も前から存在しています。
私自身、塩辛、メンタイコ、チリメンジャコ、塩ジャケなど、
塩気の強い食物が大好物ですし、それでいて五ハ歳の今日、何一つ持病もなく、
一年三六五日、朝から晩まで馬車馬のごとく働いて、すこぶる健康です。
 現代の医学や栄養学は、
塩を健康の大敵とばかり、目のカタキにしているきらいがありますが、
そもそも、地球上のすべての生命の「もと」は、海の中で発生したものです。
 三〇億年前に海で生まれた単細胞の始原生命が、
徐々に進化を遂げて多細胞生物になり、陸にはい上ってきた時に、
わざわざ「海水」を体内にたずさえてきたのです。
 その体内の海水こそ、血液なのです。
したがって、血液をなめれば塩辛いし、「血潮」という言葉もあるわけです。
 こう考えていくと、「塩」が、健康や生命維持に役立つことはあっても、
有害であるはずがないことくらい、容易に推測できます。
 そこで種々の医学文献を調べてみると、後に本文で述べますように、
塩は、高血圧や脳卒中の原因になる、などというのは間違いで、
むしろ種々の病気の予防や健康増進に役立つという驚くべき研究論文を
たくさん見つけることができました。
 とくに、アメリカで二〇万人余を対象にした健康調査で、
「塩分摂取の多い人ほど、心臓病や脳卒中をはじめとする種々の病気による死亡率が
低くなる…」 という結果が明らかにされており、
これまで、日本人を呪縛してきた、
「塩分=悪」 という理論は成り立たないことがわかったのです。
 塩は、
体を温めて免疫力を増強し、心臓の筋肉や四肢の筋肉の収縮力や神経伝達に関与し、
血液やリンパ液などの体液の浸透圧を一定に保つ……というように、
健康の維持、増進には不可欠の栄養素です。

とくに近年、低体温化することにより、
ガン、アレルギー、膠原病、高脂血症、糖尿病などの文明病に悩んでいる日本人に
とっては、体を温める作用のある塩は最高の治療薬″になる可能性すらあります。
本書を読まれた方々が、塩に対する誤解や迷妄から抜け出され、
塩を賢く摂取されることにより、ますます、ご健康になっていただくことを、
心よりお祈りいたします。

(P25)より
2002年に人間ドックを受けた日本人は284万人で、
「異常なし」はたったの13.3%ということは、
86.7%の人に何らかの病気が存在していたことになります。
前述したように、ここ30年間で医師数は二倍以上に増え、
栄養摂取の状況も、年々良くなっているのに、病気は増加しています。
まだ現代医学は気づいていないようですが、
こうした病気の増加の背景には、日本人の低体温化が大きく関与していると
私は思っています。
なぜなら、体温が一度下がると代謝が約12%、
免疫力が30数%も低下するからです。
ということは、体温が下がると同じ物を食べていても太りやすくなるし、
あらゆる病気にかかりやすくなる、ということです。
がん細胞は、体温が35.0%でいちばん増殖し、
39.3度以上になると死滅するとされています。
医学大辞典には、いまでも日本人の脇下の平均体温は
36.8プラスマイナス0.34度と記載されています。
確かに、私たちの幼少時の50年前は、大人の体温が36.6〜37.0度、
子供は37.0度くらいあったと記憶していますが、
日常、診療していて感じるのは、36.8度の体温をもつ人などいまや皆無で、
高い人で36.2〜3度、ほとんどの人が35度台です。
そしてこの低体温化こそ、
ガンをはじめ、高脂血症、糖尿病、痛風、
血栓症をはじめとするアレルギー性疾患や自己免疫病などの元凶といえるのです。

日本人が低体温化した原因
@運動不足、
A冷房の普及、
Bシャワーだけですます入浴、
C水分の摂りすぎ、
D食物摂取の大きな間違い、
E塩分の制限、